期待の新作・パブロシャッド徹底解説 パート2 山木一人×高滝ダム(千葉県)

カラー、使い方、そしてタックルまで詳細解説

やまき・かずと 国内バス釣り発祥の地・芦ノ湖(神奈川県)の畔で生まれ育った、いわばバス釣りエリート。シャッドプラグを得意技の1つに、まるでバスと会話しているかのような技を披露する術はお見事。チームバンタムの精神的支柱だ。

パート1では実釣編の流れと共にパブロシャッドの使い方を解説してきたが、パート2では前回解説しきれなかったさらなるポテンシャルの片鱗を深堀りしていくことにしよう。上の画像は当日、山木さんが1本目にイブシギンでキャッチした40アップ。2本目はパート1でご覧いただいた通り、クリアレッドタイガーでキャッチした見事な49センチ。使用したルアーはいずれもパブロシャッド59SPのオリジナルタイプ。
ここで気になるのはやはりそのカラーだろう。どう選ぶべきなのか、山木さんに聞いてみよう。

誰もが悩むカラー選択。山木さんはどう選ぶ?

「一番大切なのは、好きな色を使うこと。俺の場合、イブシギンだね」。
自らの強い思いを1つのカラーに託すことこそが1尾へと繋げる原動力。現に山木さんは1尾目を信頼のイブシギンでキャッチして確信を得たからこそ、次のカラーローテへと繋げることができたのだという。
「敢えて言うなら、3色持っておくといいね。万能色・中間色(マット系)・違和感色(反射系)が1つずつあればローテしやすい」。
初回全20色の豊富なラインナップでも話題を呼んでいるパブロシャッド。各カラーの詳細情報はこちらから確認できるが、大まかにまとめると山木さんの言葉通り3タイプに分けることができる。万能色とは「水の色に関係なく背景に馴染む」というチャートホワイトコットンキャンディライムチャートホワイトシャッドの4色。見た目に派手かつ目立つ色味なのに水に馴染む…とはこれ如何に?
「だよね? これは俺の経験値で弾き出した判断なんだ。だから、信頼できるかどうかは自分次第。結局は、自分の好きな色が一番なんだよ」。
山木さんは自身が得意とするサイトフィッシングで「この4色だけは魚から寄ってくる」ことを知っている。だからこそ万能色。百聞は一見に如かず。ぜひ試してほしい。

バンタム・パブロシャッド

「マッチ・ザ・ベイトよりレンジこそが大切」

「やっぱりまだいたね、ワカサギ」。既に産卵シーズンを終えたかと思いきや、一部のワカサギはまだその過程にいたようだ。水面にすくいパブロシャッドと記念撮影。尾ビレを除くと、その長さは実にマッチ・ザ・ベイトだと言っていい。

「これで、ベイトが表層付近にいるってことがわかるよね。だから、中層で巻いて結果に繋がったと考えられる。泳いでいるのが見えれば一番わかりやすいけど、今回は濁ってるからねぇ」。
では、今回のような特例を除き、ベイトが見えない、気配がない時はどう対処するのだろうか。
「絶対ではないけど、ボトムのベイトを狙っている可能性はあるよね。エビとか、ゴリとかを狙ってるのかも。バスが下を向いているなら、長いリップでボトムノックできるタイプもあったらいいなと」。
こんな発想から生まれたのがパブロシャッド59SPのもうひとつのタイプ・MR。もちろんオリジナルより深いレンジをただ巻きでも誘えるが、ボトム攻略にも長けたモデルなのだ。

右がパブロシャッド59SP(潜行深度約1.7メートル)、左が同59SP MR(潜行深度約2.7メートル)。リップが長くなるほど深いレンジへと到達可能になるのと同時に、先端がボトムにタッチしてもフックまでの距離が長くなるため、根掛かり回避性能にも優れている。たとえ浅い水深でも複雑なボトムであれば、竿を立て気味にしてMRを使用することも可能だ。

「小魚が浮いていないなら、ボトムを狙う」

「エビやゴリを狙っているバスにはボトムノック。とはいえ、ラウンドクランクのようにただ巻きで当て続けるわけじゃない」。

山木さんはパブロシャッドを投げて巻き、まずはボトムにリップが当たったのを確認するや、リールのハンドルを「1・2・3、1・2・3…」のリズムで三角巻き。
「こうするとボトムから必要以上に離れず、ボトムを意識したバスの視線を集めることができるんだ」。
ズズッ、ズズッ、ズズッと砂煙を上げ、ボディをカモフラージュしながら進むパブロシャッドの姿が思い浮かぶ。ワームのズル引きに近いイメージだ。ここ数年は三角巻きから、四角巻きへと進化して、これも好釣果を上げているという。
「エビやゴリに似ているかどうかはどうでもいい。そもそもシャッドはミノーでもクランクでもない曖昧な存在。どちらでも釣れない時こそが出番だと考えていいかもしれないね」。
ボトムでうごめく何か。「正体を明かさないうちに喰わせてしまう」という山木イズムがそこにもある。
「釣ったバスから、ヒントをもらうこともあるよ」。
1尾釣ってもなかなか後が続かない。そうなる前に確信を得るべく、山木さんはバスのお腹を押す。
「プリッ(笑)と出たものが茶色でキラキラ(=ウロコ)してれば小魚をたべている証拠。単なる茶色なら、ゴリ系。赤っぽければエビ」。
ベイトを知ることでレンジを見極めることも可能だ。「(重量で勝負をするため)試合ではなかなか勇気がいる作業だけどね(笑)」。

「ただ巻きのスパイスにトゥイッチを入れることも」

近年、シャッドのただ巻きが主流となる中で、かつての使い方であるトゥイッチはもはや過去の遺物と見なされているのもまた事実。
「ただ巻きできるシャッド、トゥイッチできるシャッド。それぞれは世に存在しても、両方を可能にするシャッドはほぼない」。
パブロシャッドが目指したのは、不可能を可能にすること。唯一無二のシャッドプラグがここに誕生した。
「例えばウィードがあるフィールド、岩があるフィールドで、そのエリアをシャッドが抜ける際に『パパン』と竿先をアオる。ただ巻きから瞬時にダートさせる動きの変化で、喰うきっかけになればいいなと」。
何よりも速巻きが可能で、安定した直進性能を発揮しながらも、トゥイッチした途端に切れ味鋭いダートを演出して、再び直進軌道へと戻る。他にはない高いポテンシャルがそこにはある。
「先にもシャッドは曖昧な存在と言ったけど、曖昧だからこそいろんな使い方ができた方がより使える幅が広がるよね」。
誰でも、どんな使い方でも釣れるシャッド。パブロシャッドに限らず、バンタムルアー全てにおいて開発コンセプトの根幹はそこにあるのだ。

ただ巻きとトゥイッチの双方を可能にしたのが『ジャークアシストバランサー』。巻いているときはウェイトが前方へ移動して低重心、ロッドでアクションを加えれば後方へ移動して意図的にボディの横倒れを演出可能。2016年に登場したリップラフラッシュにも搭載されている画期的な内部構造だ。

ひと通り学んだら、あとはアナタが釣るだけ!

パート1ではパブロシャッドの高速巻き(ただ巻き)、パート2ではボトムにおける三角巻き及び四角巻き、また高速巻きに組み合わせるトゥイッチについて解説してきた。これらの使い方を参考に、全国のフィールド、全ての季節で、その威力を体感していただきたい。
「まずは投げて巻いてみてほしいね。どんな場所でもいい。あくまで俺が解説してきたのは基本。100人いれば100人の巻きスピード、100人のトゥイッチがある。皆さんの思い通りにぜひ試してください」。

スピニングロッドは長さとパワーの差で2本を使い分け

山木さんがパブロシャッドに使用するスピニングロッドは、主にバンタム267MLと2610Lの2本。4ケタ数字の頭「2」はスピニング、続く「67」と「610」はそれぞれ全長を、さらに「ML」と「L」はそれぞれパワーを意味している。
例えば、267MLであれば、6フィート7インチでMLパワーのスピニングロッドという意味だ。長さとパワーの異なる2本を山木さんはどう使い分けているのだろうか。
「267MLがフルキャストする時やハイシーズン用で、2610Lはワームの釣りに近いより丁寧な釣りをする時用だね」。
ベイトタックルでも存分に飛距離を稼げるのがパブロシャッド。ベイトに比べ、軽いウェイトをより乗せて投げやすいスピニングならさらなる遠投能力を発揮することができる。67と610には3インチの差が存在するが、いずれも飛びに何ら問題はない。
「2610Lのほうが長くて柔らかい分、喰い込みがいいから、タフな時や低水温期に多用することが多いね」。
タフったら2610L。もしくはベイトの165L-BFS。ハイシーズンやテクニカルな操作を要する時は267ML。これが山木さんのパブロシャッド・ロッドの使い分け方だ。

パブロシャッド使用タックル・上から>

[最高速用]

●ロッド:バンタム267ML

●リール:ヴァンキッシュ4000HG

●ライン:フロロカーボン8ポンド*写真はPE2号だが「海で使ったのがそのままで(笑)」と、スプール交換。
[高速用]

●ロッド:バンタム267ML

●リール:ヴァンキッシュ3000HGM

●ライン:ソアレ アジングフロロ 4ポンド
[タフ時用]

●ロッド:バンタム2610L

●リール:ヴァンキッシュ2500HGS

●ライン:ソアレ アジングフロロ 4ポンド
[メイン]

●ロッド:バンタム267ML

●リール:ヴァンキッシュ2500HGS

●ライン:ソアレ アジングフロロ 4ポンド
[カバー用]

●ロッド:バンタム165L-BFS

●リール:カルカッタコンクエストBFS HG

●ライン:フロロカーボン 7ポンド