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PROFESSIONAL 中・上級者向け解説

百合野 崇 × 鱗海 SPECIAL 00号530 & 鱗海 ハイパーリペルα ナイロン ZEROフロート

喰い渋るチヌを疾走させる究極のチヌ竿
山口県周南市徳山湾「蛙島の真ん中」

徳山湾は魚影が濃くチヌ釣りが盛んな海だ。だが今回は、最も難しいと言われている寒チヌ釣り。
そんなシーズンだからこそ試してみたい竿があると百合野さんは言う。徳山港を出発して黒髪島と大津島の間の蛙島の真ん中という瀬に上がった。春一番の吹く、まだ寒い日のことである。

鱗海00号喰わせ重視の繊細な穂先と掛けた後すぐに胴に乗る設計で竿を大きく曲げるチヌ釣りの美学を追求した一本。

ロッドケースから取り出したのは、鱗海スペシャル00号。
「この竿を持ってまず感じるのはとにかく軽いということですね」自重は142gなのだが、秤に乗せた重さではなく、持ち重りしない竿の性能がそう思わせるのだという。竿が柔らかくなればそれだけ自分の意志とは関係のない動きをしてしまうものだが、この00号は、仕掛けをキャストした後やラインメンディング後の竿先のブレの収束が速い。竿が細身なので風を切り、横風に竿が揺れることもない。従来の00号のイメージとはかけ離れた抜群の操作性を備えている。

遠投軽く振り込むだけで遠投できてしまう。一日竿を振っても疲れない軽さが魅力的。

「私の得意とする釣りのスタイルは遠投ですが、00号は竿の反発力があるので力まずとも仕掛けを飛ばすことができます。ハリ外れしやすいツケエも遠くまで飛ばせるのは大きなアドバンテージですね」
この瀬は下げ潮のときには遠投して、25m先のカケアガリを狙う。底に溜めたマキエに寄ってきたチヌにツケエを喰わせるのだという。

道糸 鱗海 ハイパーリペルα ナイロン ZEROフロートは海面直下を漂う比重1.10設定。
2m(イエロー)+50cm(オレンジ)のピッチマーキング入りなので視認性がよく潮の速さを把握しやすい。

遠投すればラインが風の抵抗を受けて仕掛けが潮に入るのを邪魔してしまう。そこで新しいラインを巻いた。水面下スレスレのポジションをキープしてくれる鱗海 ハイパーリペルα ナイロン ZEROフロートは風の影響を受けることはない。吸水劣化も少ないので使っているうちに沈んでいくことはない。
「ライン自体のコーティングが強化されているので、水切れもよくライン操作がやりやすく大変重宝しています」 時折吹く強風にもラインが取られること無く表層を漂っている。

リールハリが強くコシがあるのでリール周りのライントラブルは激減。

リールシートがスクリュータイプでリールをしっかり固定するので、SUTブレーキを握ったり、ラインを指で押さえたり、無意識で行う動作が安定してできる。竿とリールの一体感が釣り人を疲れさせない。
百合野さんはいつものようにマキエを遠投して、余分なラインを巻き取り、張りを持たせながらアタリを待つ。穂先を少し持ち上げ、エサを動かす。反射的に喰うタイミングを誘う。

ラインメンディング潮の流れに応じてラインを張り気味に入れ込んでいく。Xガイドと相性がいい。

ウキはファイアブラッド ゼロピット DVC TYPE-D Mの00号。
ラインにガン玉を打って沈下速度を調整しつつ目標地点へツケエが沈下していくようにラインを送り込んだり、入りすぎる場合はラインを張ったりしてチヌの鼻先へとツケエを送り込んでいく。
Xガイドは糸ガラミがなく、仮にラインメンディングの直後にアタリがあってもすぐに対応できるのでアワし損ねはなくなりましたね」

ラインの張りXガイドラインの動きは穂先に伝わる。喰わせのタイミングを見逃さない。ラインは第二の穂先。

ウキを沈めて、緩めておいたラインの動きからアタリをとるのが今までの沈め釣りであった。低水温期のチヌはエサを一口には飲み込まない。慎重になり様子をうかがいながら少しずつチビチビとついばむ。こんなチヌの動きは緩ませたラインには伝わりにくい。だがラインをある程度ラインを張り気味にしておくことでチヌがエサをついばんでいる様子が穂先に伝わってくる。
しかも柔らかい穂先は違和感を与えないので、一度何かの理由でエサを放した後でも再びアタックしてくることに躊躇がない。捕喰シーンが穂先を通じて手に取るように分かれば、いつの間にかエサが取られてることが多いチヌ釣りが変わるだろう。

竿曲がり竿を曲げてチヌをじわりじわり浮かせていく。チヌ釣りの愉しさをじっくり味わう瞬間。

穂先に伝わる細微な動き、少し引っ張られた感じに即座にアワセを入れるとチヌの重量感が伝わってきた。「なんかモゾモゾしていたのが分かったので」そういうと大きく曲がる竿をじっくりと眺める百合野さん。
「竿を立てると胴元の5番までしっかり魚の重量が乗ってくれ、竿全体の反発力でチヌを浮かせてくれるので、チヌが怒らないんです」たしかに、力まないと言うか、静かなやり取りでチヌは浮いてきた。40㎝のいぶし銀がタモに収まった。

ハリスLIMITED PRO マスターフロロは耐衝撃・耐摩耗強力UP。掛かった魚は確実に取るハリス。磯のチヌつりに油断は禁物だ。

「00号は細いハリスでも安心してやり取りができるのが嬉しいですよね」百合野さんは1.5号のハリスを使用していたが、仮に沈み瀬にハリスが当ってもLIMITED PRO マスターフロロなら大丈夫だ。ただ、フグだけは手強い。
「フグの噛み跡には細心の注意を払っています。傷がつけば、すぐに交換します」
潮が上げ潮になり、日が射してくるとフグの活性が上がりハリスを噛み切っていく。

ゼロピットファイアブラッド ゼロピット DVC TYPE-D Mの00号を使った。
沈め釣りには浮力調節は必須。ダイビングコントロールが手軽にできるウキは心強い。

蛙島の真ん中は、上げ潮になると沖のカケアガリよりも竿一本先に横たわる大きな沈み瀬周りがポイントだという。足元にマキエを撒き、沈みの陰に潜んでいるチヌにアピールしていく。
そこで百合野さんは仕掛けを手直しする。なぜなら遠投のときより足元の沈み瀬周りに仕掛けをなじませる時間はかけられない。近場を狙うときは仕掛けを流せる距離が短いから、より速く潮になじむ仕掛けに変更するのだ。

浮力調整ウキは00号だが、ツケエの入り具合を速くするために浮力を0号にアップ。

だがラインを切らなくてもよい。仕掛けを手直しするといってもファイアブラッド ゼロピット DVC TYPE-D Mの00号の浮力を0号に調整するだけなのだ。「ウキに浮力を持たせることでウキと仕掛けが分離しやすくなります。仕掛けをあえて立たせるイメージです。そうすることでハリスが潮になじむ時間が短縮できるようになります」
わずか1秒。
DVCドライバーをひと回ししただけで遠投から足元のポイントへの最適な浮力調節が完了した。

チヌの走り鱗海スペシャル00号は45㎝クラスのチヌなら30秒で浮かせられるパワーを持っている。
チヌの走りをコントロールして足元の沈みを交わす。

上げ潮の時合が到来。午前中はネリエに反応を見せていたチヌが大胆になりオキアミを追うようになった。沈み瀬が近くにあるからか、強気になったチヌは竿をひったくる。「こういう場所ではラインは出せないですが、ロッドパワーでチヌの走りを止められるので心配はいりません」
パラボラチューンRによる美しい竿の曲線はどの方向へ走ろうとも逃げられないという思いをチヌに与えるに違いない。

竿曲がり2「喰い渋っていたチヌも掛かると元気がいいです」早めの勝負をかけ余裕で浮かせた。

「竿の1番は喰わせ、2番は掛け、3・4番はパワー、そして5番はコントロールといった役割分担がありますので、竿が細身だからといって頼りなさは全く感じられないですよ」
チヌの口を使わせることができれば、やり取りには万全な体制が整っている鱗海スペシャル。特に00号は喰わせを重視した穂先の感度が特徴的だ。
しかもどの節をみてもチヌ釣り師に満足を与える出来映えだ。

手持ち鱗海スペシャル00号は初心者にもベテランにもきっと歓んでもらえると思いますよ」

年間250尾のチヌを仕留めている百合野さんは「竿を曲げて愉しむのがチヌ釣りの醍醐味と思っています。だから一尾を大事に釣るのはとても面白いし、ますますのめり込みそうですね」

百合野崇さんのタックル

ロッド 鱗海スペシャル00号 (5.3m)
リール BB-X テクニウム (C3000DXG R-SUT)
道糸 鱗海ZEROフロート (1.5号)
ハリス LIMITED PRO マスターフロロ (1.5号)
ウキ ファイアブラッド ゼロピット DVC TYPE-D M (00号)
ハリ グレ 6号
チヌ 1号
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