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PROFESSIONAL 中・上級者向け解説

只松雄司 九州グレ釣り街道をゆく17

状況の変化にPEラインが必要になる時、サスペンドラインが有効な時
長崎県対馬市内院「階段横」

南対馬の磯ではじめての竿出しだったが、予期していたこととはいえ小グレの猛攻に手を焼く。西風が強くなることを懸念する船長のアドバイスで東の磯へと瀬替わりをする只松さん。そこは階段横という瀬だった。ここでいま一度釣りを組み立て直すことに。只松さんのヒラメキはここでもズバっと的中していく。

対馬のグレは潮に素直

瀬替わり潮目や泡を中心に攻める。まずはマキエを撒いてグレの活性をあげていく。

瀬替わりして、まずはマキエを撒いて様子を見る。気になるエサトリの影はなく、前方には奇麗な潮目がくっきりと見えた。先ほどとは比べ物にならないほど釣りやすい状況だが、セオリー通り潮目にマキエを効かせ、浮いてくるであろうグレを狙ってみる。するとウキが静かに沈下していきながら途中から一気に加速してアタリを伝えてくれる。
「やっぱりきましたねー」
ここは釣り座から左右に伸びる潮目にうまく仕掛けが入ればマキエと同調しやすい。マキエがグレの喰い気を誘い一投一尾で釣れるが、40cmの大台には届かない。
「対馬のグレは潮に素直に喰ってくるから面白いね」
心機一転の瀬替わりが吉と出たことを無邪気に喜ぶ只松さんでであったが、次第に潮目が遠くなってくると、アタリも渋くなっていった。

PEラインで遠投ポイントを楽に攻める

「よし、ここでPEラインを使ってみよう」
そう言うと準備しておいた替えスプールを取り出し仕掛けを組み直す。

PEライン只松さんはいくつもの替えスプールを持ってきていた。その中のPEラインを巻いたスプールをチョイス。
はじめからポイントが遠いときだけでなく、遠くなってしまったときにこそPEラインの必要性を感じるものだ。

遠くなって、やや緩くなったポイントに向けて竿を振り切るとスーッと飛んでいき潮目を捉えることができた。その道糸はLIMITED PRO PE G5+ サスペンドの0.8号。このラインは高比重で張りがあるのが特徴だ。メリットは飛距離と感度が格段にアップする点にある。
フカセ釣り用ラインというだけあって細仕掛けに対する弱点は克服されている。まずラインにコシがあるので糸ガラミの心配はない。そして結び目がきっちりと止まり結束力も申し分無い。それはハイブリット構造によるものなのだが、マスターチューン イソXガイドと合わせて使うとさらにその性能がフルに発揮できる。
搭載されているXガイドはXリングにより、ガイドの口径が広くなったので、キャスト時のPEラインとリーダーの結び目の接触もあまり気にならない。ノンストレスで狙いのポイントを的確に捉えることができる。

振込PEラインとXガイドの組み合わせで軽いキャストでも奇麗な振り抜け感。
飛距離が稼げるから、狙いのポイントを外さない。まさにノンストレス。

只松さんは
「いまから型狙いでいきますよ。マキエと仕掛けをやや離して、シモッた先で合わせていくとサイズアップしていくと思うよ」
と言うと、マキエと仕掛けを横のライン上で分離し始めた。
泡の潮上にマキエ、後から潮下に仕掛けを投入といった具合だ。
潮に素直なグレは当然マキエへの動きも迅速だ。表層には小グレの波紋ができていたから、マキエの着水と同時に小グレの群が押し寄せていくのは目に見えていた。その下から浮き上がるグレを狙うには、マキエが小グレに食べられた後がベター。着水音にすら反応する状況下ではマキエと仕掛けの距離を離しておくのは有効なエサトリ対策なのだ。

竿曲がり美しい竿曲がりはパラボラチューンのなせる業。

良型連発に笑いが止まらない

只松さんの立ち位置は、後ろが迫ってきているため、竿は最小限に振りかぶらなければ投入できない。だが、PEラインの恩恵で軽い力でも遠投できるのは助かった。
さて、マキエの打ち方にひと工夫を施し、仕掛けをなじませていくと、クイっと穂先が曲がりアタリを教えてくれる。
これが高感度のPEラインとシャキッとした穂先のなせる業。
ついに目標にしていた40cmオーバーの口太グレが喰ってきた。
「仕掛けが届けばちゃんと釣れるからPEラインは使いこなせて損はないね」

笑いが止まらないサイズアップで、手応え十分。

たしかに、ナイロンショックリーダーとの結束が苦手という人もいるが、得られるメリットの方が大きい。ダブル8の字結びで只松さんは楽に結んでいる。
パターンを掴んでからは、40cmクラスを連発させていく。

サイズアップもうすでに50尾近く釣っているというのに。
「やめられないねー」
何尾釣っても愉しいのがグレ釣りなのだ。

連続ヒット40cmクラスがアベレージサイズとなっていく。遠いポイントから引き寄せるため引き味を十分に愉しめる。

「尾長の場合は、アタったら即アワセでもいいけど、口太ならワンテンポ待つ位がいいですよ」
PEラインはアタリのダイレクト感が特徴だが、それに反射的にアワセると掛かりが浅い場合もあるので注意とのこと。
次第に風向きが変わってきた。
回り込んでくる風が強くウキが思い通りに飛ばなくなってしまう。そこでファイアブラッド ゼロピット DVC TYPE-A (00号)のMサイズからLサイズへと変更。ウキの自重は11.4gから14.9gへと増加し、仕掛けが遠投の軌道に再び戻ってくれた。

PEラインとグレ高感度のPEラインを試して改めてそのメリットを実感。
アタリがよりダイレクトに伝わるから、遠いポイントでも魚の動きが手に取るようにわかる。

お気に入りの磯がまたひとつ増えた

前日までの低気圧が通過した後の釣行だったため残念ながら納竿を待たずに大西風が吹き始めた。ここで道糸をサスペンドタイプへと変更する。ファイアブラッド ハイパーリペルα ナイロン ZEROサスペンドを巻いた替えスプールにチェンジ。ウキはLサイズのままだ。

ゼロピットLサイズウキをMサイズからLサイズに変更。自重アップで飛距離が伸び、コントロール性が安定する。
ウキも数種類もっていくといざという時役に立つ。

そして潮止まりから再び動き始める時の一発に期待しながら時合を待った。
完全な冬型気圧配置になれば風裏になる南磯だが、まだ11月ということもあり西風に押されてしまうのは仕方ないことだ。しかも風と潮の流れが逆になれば、パワフルに攻めていかなければならない。

デカグロ目標サイズに到達した。だが、まだまだデカいグレが釣れそうな気配がしていた。

サスペンドラインまたもや西風が回り込んできた。波風の影響を受けにくいラインを使うと仕掛けの流れを邪魔しない。
視認性も良いので日陰であってもアタリを逃さない。

タモ入れ「対馬のグレ釣りはこれからが本番ですよ」
北東の風が吹けばベスト。西磯のデカグロ狙いの好機はこれからが本番。

「せっかくマキエの効果も出てきているようだから、デカバンの出方を見ておきたいね」
これまで良型のグレを取り込む際に、右へ猛進することが何度かあった。つまりそこに沈み瀬があるということなのだ。海底の様子はグレの遊泳方向からも推測できる。もちろんその方向へ突っ込むときには心してかからなければならない。
次第に陽が斜光し海に広く影を落とすと、クライマックスが訪れた。
「なかなか寄ってこないぞ」
ロッドが5番の胴から曲がりかなりの良型が掛かったことが伺えた。
だが不思議なことに、右へ突っ込む訳でもなく沖へと向かうグレの頭をこちらに向けさせ半ば強引に浮かせていく。
すると今日一番のデカグロの姿。
しかしよく見ると、なんと尾がかじられたような跡がある。
これはきっと足元から飛び出てきたアラの仕業だろう。
只松さんは対馬の自然の豊さと魚影の濃さに感慨深げだった。

かじられたグレ随分逃げ惑うグレだと思っていたら、アラに追われていたようだ。
かじられたばかりの尾がそれを物語る

「寒の時期はもっとシビアになると思うけど、50cmオーバーの口太グレを狙ってみたいね」
次は西磯のデカグロに勝負を挑む。

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