夢磯倶楽部 防波堤にときめく。磯にたかぶる。

PROFESSIONAL 中・上級者向け解説

只松雄司 九州グレ釣り街道をゆく16

操作性の良いタックルで未体験エリアを攻略
長崎県対馬市内院「内院島の1番瀬」

一昔前、対馬の中央部にある浅茅湾の巨チヌが有名で、60cmを超えるビッグママを求めて多くの釣り師が熱をあげて通っていた。今は青物狙いのルアーマンが多く、全国からこの海を目指す。近年釣果が上向いているアラやイシダイ狙いの底物師も熱視線を向けているという。そしてなんと言っても秋から冬になると俄然面白くなるのがグレ釣りだ。南対馬は北風が吹く頃、風裏となりとても釣りやすく、1~2月には50cm超の口太グレがフカセ釣り師の胸をアツくさせているのだ。

対馬山々に囲まれている南対馬、対馬暖流の影響もあり魚影も濃い。アクセスは博多港からのフェリーや空港もある。

はじめての釣り場だからこそいつもの釣りを心掛ける

対馬の厳原港へフェリーが到着すると民宿の送迎車が迎えに来てくれていた。バスに乗り込むと30~40分後には港へ到着。そこから30分後には磯に上がることができた。竿出しまでの行程が思っていた以上にスムーズで、釣り以外のことで煩わしさがないのは有り難い。
まず上がったのは内院島の1番瀬。瀬はワンド状になっていて、回り込んでいく潮が沖へ払い出す流れが本命潮だと船長のアドバイス。
はじめて瀬上がりした釣り場では只松さんはいつも通りの釣りを心掛ける。11月下旬は、まだエサトリの多い時期だろうと、ファイアブラッドゼロピットDVC TYPE-A Mの00号で上からじっくり攻めていく。
だが良型の尾長グレの可能性もあると聞いていたので緊張も隠せない。

釣り開始期待を込めて第一投。マスターチューン イソXガイドはXリングを採用していて大口径化を実現。
スムーズな振り抜け感が狙いの幅を広げる。

小型小グレのラッシュにあう。このあとサイズアップへ只松さんのテクニックが披露される。

潮が冴えないときは、うまく気持ちを切り替える

しかし案の定、釣れるのは手のひらサイズのグレが多い。
グレに対するエサトリが同族の小グレだからマキエワークでかわすことはなかなか難しい。
潮は下げ止まりの時間帯で潮回りも大きくないので、キレの良い潮は期待できないかもしれないが、せっかく対馬まできたのだ。
まずは40cmを目指して仕掛けに手を入れ、深ダナを探っていくことに。
だが、連続してアタってくるのはやはり小グレ。
うまく仕掛けが入っていっていないのかもしれない。
さすがの只松さんも集中力が削がれてしまったのかもしれない。
「潮が良くなるまで様子を見てみよう」
そういうと只松さんはボーダレスを手にマダイテンヤにカツオのハラモをツケエにしてキャストを始める。もちろん潮が変わるまでの軽い気分転換で、アカハタを狙うわけだが、オモリで海底の状況を探っていくことで未知の釣り場でヒントになることが何か掴めるのではないだろうかという思いもある。

ボーダレスとりあえずボーダレスで探りを入れていく。根が荒いのか、砂地なのか。
上物釣りでも海底の状況を知っておくことは大事なことなのだ。

コツコツとアタリがあり、一気に引っ張られるアカハタの魚信を愉しむ。

アカハタお土産で喜ばれるアカハタ。釣れるときは簡単。しかも食味は美味。

それとオモリを引いた感じから海底は、なだらかなカケサガリであることがわかった。
次にメタルジグをセットしてロッドホルダーに立てて置く。
ナブラが湧いたときの準備を済ませ、
「これは遠投しかないかな」
そう言うとマスターチューン イソに持ち替える。
この瀬の攻略法を思いついたのか、水深のある沖へとマキエと仕掛けを飛ばしていく。サイズアップしていくための一つの方法が沖だと判断したようだ。

考え中海面に視線をあわせると仕掛けの入る方向がわかるから只松さんは低姿勢でつぶさに分析する。
竿先を下げ、ラインを張ることで高感度のXガイドから情報が伝わってくる。

あて潮でも活路はある

着水した仕掛けはワンドの内側にゆっくりと押し戻されていく。
沖へ払い出す潮が本命潮だが、あて潮が強いようだ。
「あて潮でも潮が動いていることには変わりないし、立ち位置をうまく変えていけば、横流れの潮として捉えられるから視点を変えてみよう」

構えラインを風上に置き直し、すばやく穂先を海面に入れる。この一連の動作で仕掛けの沈下がスムーズになる。

遠投することで流す距離が稼げ、仕掛けがなじむ時間を多く取れる。
だが多くラインを使うことになるので風にラインを取られないようラインメンディングを丁寧におこなわなければならない。
そんなときロッドの操作性の良さは助けになる。
あて潮の場合は足元の波にラインが取られないことが重要。

リール悪条件の中での釣りは仕掛けの再投入の繰り返しでもある。
そんなとき107cm/1回転の超ハイギアモデルは釣り人の強い味方となる。

リミテッドプロ ハイパーリペルα ナイロン ZEROフロートが水切れもよく操作しやすいため、あて潮と風を上手くかわせ、底潮の中にツケエを送り込める。
「きたよ」
いままでとは違う力強いアタリにマスターチューン イソが胴に入る曲がりをみせる。

アワセ読み通りのアタリ。

掛かったのは36cmの口太グレ。首尾よくサイズアップに成功した。
だが、まだまだこんなものではないと更なる一手を繰り出す。

サイズアップまずは慎重にタモ入れ成功。
だが対馬の磯のポテンシャルはこんなものではない。

決め手は複雑な潮を突破する小粒アイテムとDVCシリンダー

ワンドの潮は、流れ込みと払い出しの2つの潮が混在していることが多く二枚潮になりやすい。表層は吹き下ろしの風がウキを押してしまうので風と潮の方向が逆になってしまう。この状況下で軽い仕掛けだと、ウキが沖へ押されツケエを引張ってしまうためツケエが十分に沈下できず宙ぶらりんな状態になってしまう。
そこで只松さんはツケエ先行の形をイメージし、ハリスにガン玉G7をセットして、ウキのDVCシリンダーをキツキツに絞め込んだ。これで着水と同時にウキは水面直下に漂い始め、ガン玉が潮を受けることでツケエを確実に底潮に誘導することができる。そしてマキエを潮スジに当てていく。これでマキエとツケエの同調もうまくいくに違いない。

ガン玉グレ釣りの場合、ガン玉を打っていい場合とそうでないときがある。
的確に潮を読めると自ずと答えがわかってくるのだ。

風にラインを取られないよう竿先を海面に突っ込み、指先の細かなライン操作で仕掛けの入り具合を確認する。
するとスーッとラインが伸びていった。
「よし、きたよっ」
複雑な潮を小粒のアイテムで突破。タモ入れサイズが連続で釣れ始めた。
こうなると一投一尾でアワセが決まり、35~38cmのグレが入れ掛かりとなる。
この後、本命の潮が走り始めれば、必ずや40cmオーバーの良型に出会えるだろう。

タモ入れサイズ「だんだんと条件が悪くなってきているけれど、いい磯だから攻略のし甲斐がありますね。
操作性の良いタックルがそれを可能にしてくれますよ。」

だが、突如船が迎えにやってきた。
「今から西風が強くなりますから瀬替わりしましょう」
船長の進言に迷わず船に乗り込む。毎日海に出ている船長の言葉を尊重するのも只松さんのモットーなのである。いろいろな瀬で竿を振りたいと思っていた只松さんは、渡りに船とばかりに、東磯へと向かった。

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