夢磯倶楽部 防波堤にときめく。磯にたかぶる。

PROFESSIONAL 中・上級者向け解説

只松雄司 九州グレ釣り街道をゆく12

PEラインとXガイドの組み合わせでフカセ釣りがもっと面白くなる
長崎県松浦市福島「ウバ瀬」「ホゲ」

長崎県松浦市伊万里湾内にあるチヌの宝庫、福島。小さな緑の島が多く点在しとても眺めの良い場所だ。
まだ時期が早いためグレの釣況が芳しくない。そこでターゲットをチヌに変更して、磯フカセ専用のPEラインを試してみることにした。
「PEラインを使うことで遠投性と仕掛けの操作性は格段に向上しますよ」
とライン性能に太鼓判を押す只松さん。
今回はフカセ釣りに使うPEラインのメリットやショックリーダーの長さについてご紹介したい。

PEラインのメリットあれこれ

今回使用するLIMITED PRO PE G5+は平均比重1.3のサスペンドタイプ。このPEラインに結ぶのは、LIMITED PRO NYLON ショックリーダーサスペンドだ。ナイロンラインと比べて約3倍の強度を持つPEラインならナイロンラインではあり得ない細い号数が使えるようになる。
このことのメリットは大きい。

鱗海スペシャル鱗海スペシャルはチヌ専用高感度ロッド。穂先の軽さの秘密はXガイドにある。

「ナイロンラインを使っているときと同じ力でキャストするなら飛距離がかなり伸びます。さらに言うと今まで届かなかったポイントに仕掛けが届くようになりますし、逆に今までのポイントを狙うには肩の力を抜いて投入できますから、コントロールがよくなりますよね」

ハイパーフォース飛距離が出るPEラインと超ハイギアのBB-Xハイパーフォースのコンビで未知の領域への挑戦が可能となる。

だが0.6号という極細ラインを使う際にガイドへの糸ガラミが気にかかる。

Xガイド糸すべりがよく糸ガラミが少ないXガイドはPEラインとの相性バッチリ。

「まず鱗海スペシャルXガイドは軽量されたガイドなので振り込んだあとの穂先のブレの収束が速いです。そしてこのLIMITED PRO PE G5+は張りと比重があり、不意に吹く風に煽られてもガイドに絡むことはほぼないと思っていいでしょう」

PEPEラインを使うと楽に広範囲に仕掛けを入れることができる。

PE構造PE G5+の構造。芯がある6本ヨリで張りがある。

気になるラインシステム

LIMITED PRO PE G5+は、張りとその細さゆえ仕掛けを楽に飛ばしてくれる。
では、今までの仕掛けと何が違うのだろう?

「まずPEラインにショックリーダー1.7号を結びます。結び方はダブル8の字で大丈夫です。そして長さの考え方の一例ですが、ここ一帯の磯なら水深はせいぜい竿2本程度なので、ショックリーダーは6〜7m、ハリスは3〜4mとります」

つまり、底から中層までを狙うチヌ釣りは、ショックリーダーとハリスの合計の長さで水深をカバーするという考え方でよいようだ。

ショックリーダーPEラインを使うフカセ釣りでカギを握るラインがショックリーダー。

そして、道糸とハリスの2種類のラインが常識となっているフカセ釣り師になじみのないショックリーダーについて補足説明をすると、ショックリーダーはナイロン製で伸縮性があるのでPEラインの伸び代の無さをカバーしてくれ、アワセた時の衝撃を吸収してくれる。と同時にウキ止め糸を結ぶ部分を担ってくれ半遊動仕掛けには必要不可欠な部分といえる。

ハリス根ズレに強くマッドカラーは魚から見えにくい。

沈め釣りと半遊動の同時セッティング

只松さんはショックリーダーにウキ止め糸とシモリ玉、そしてファイアブラッドゼロピットDVCのキーパイプ、その下にナビストッパーの順で通した。
最後にサルカンをセット。そしてサルカンにハリス、ハリスにチヌバリを結んだ。

ウキ交換ウキに装着してあるキーパイプを引き抜く。

ここで注目なのは、ウキの浮力調節が簡単にできるファイアブラッドゼロピットDVCの使いやすさだ。
大幅に釣法を変えるときでも、まったくラインを切らずにウキを簡単に交換できる。

ウキ交換キーパイプにラインを通してあるのでウキ交換もラインを切らずにできる。

例えば下げ潮のときにはウキの浮力を00にして上から沈めながら攻めていく。逆に潮が上げてくるときには、こまめにタナをとって3Bのウキを用い半遊動仕掛けでチヌの鼻先にツケエを持っていく。

ウキ交換浮力調節だけでなくウキ自体の交換もあっという間に完了。

このように異なるアプローチをする場合に、ウキ交換に手間取らないのは短い時合を狙う釣り人にとってありがたい機能である。

竿曲がり「PEラインはアタリがダイレクトに手元に伝わるので分かりやすいですよ」

わずかなアタリも捉えるXガイドシステム

「ウキの動きでアタリを取るのはフカセ釣りの基本です。PEラインなら伸縮性がないから小さなアタリが手元にダイレクトに伝わります。これは本命の魚で有る無しにかかわらず釣りの組み立てがしやすくなりますね。それに鱗海スペシャルの穂先はホワイトで視認性が抜群です。だから沈め釣りのようにラインや穂先の動きでアタリを取る釣り方はお手の物です」

さて、まずは30m先にマキエを打ち込み、そのポイントに00号のウキを沈めながら探っていく。ラインメンディングの際の水切れもよく仕掛けのなじみが分かりやすい。1投目から早速ラインが張って、穂先を引っ張ろうとする反応が伝わってきた。

まずは手のひらサイズの元気なチヌだ。

エサ入れマグネット式開閉でエサがこぼれない。携帯ツケエ入れはライフジャケットにも装着できる。

その後もチヌが続くかと思いきや、キスやバリなど夏の魚がアタってくる。
夏場は底ベッタリで捕食しているわけではなく中層でも喰う時期であるが、連日の猛暑で水温が高止まりしていて釣りの適水温を越えている。そのため日が昇るにつれチヌの喰いが渋くなるのも致し方ない。

エサ入れ中身ステンレス製なので保冷剤を入れるとエサの鮮度が長持ち。乾燥からも守ってくれる。

エサトリの動きを捉える高感度PEG5+

晩夏のチヌのアタリは微小で居喰いしていることさえある。そのような状況を打破していくためにもツケエの残り具合をよく観察することが重要だ。
回収したツケエを見るとチヌは喰い気があるのか、エサトリの勢いに変化が出てきているのかなどヒントが隠されている。

「ツケエが取られるとタナを調節したり、ハリを替えたり対処ができます。だから、フグでも小ダイでもチヌを釣るヒントになりますよ。PEラインに替えて海からの反応が増えたことはいいことです。ラインが軽いのでツケエが残っているかどうかも分かりますからね。一番悪いのは、素バリを流し続けることですから」

わずかな変化に気づくことで状況を好転させることもできる。
どうもエサトリの正体はメイタのようだ。

竿曲がり「喰い渋る状況でもPEラインを使っていると得られる情報量が増えるから釣りを立て直しやすいですね」

ここで只松さんは同族の魚をかわす対処法として、マキエと仕掛けの投入点をズラし、タナを決めた半遊動仕掛けを流し始めた。

浮き上がってきているのはメイタだから、上からウキを沈め探りしていったのではエサが残らない。重たい仕掛けで一気にツケエを沈めてアタリを待つ。するとウキがジワーっと水面下10cmほどまで引っ張られたのでラインを張ってアタリを聞いてみる。狙いが的中してそのまま魚が反転。ウキが一気に海中深く沈んでいった。

底までダイレクトにツケエを落としていく釣りに替えられたのもPEラインの持つ情報収集性能の高さだといってよいだろう。

「PEラインを使えば、今までより海の状況が把握しやすくなります。ちょっとした変化が出やすいからイマジネーションが働かせやすくなります。是非初心者の人にも使ってみてほしいですね」

良型「PEは強度があるのでチヌとのやり取りは余裕がありました。いずれ本流の尾長グレとも勝負してみたいですね」

只松雄司さんのタックル

ロッド 鱗海スペシャル( 0号 5.30m)
リール NEW BB-Xハイパーフォース (2500DXXG S LEFT)
道糸 LIMITED PRO PE G5+ (0.6号)
ハリス LIMITED PRO MASTER FLUORO TOUGH-MUD (1.5号)
ウキ ファイアブラッド ゼロピット DVC TYPE-D M (00号/3B号)
ハリ チヌバリ 1号
その他 ショックリーダー:LIMITED PRO NYLON ショックリーダーサスペンド (1.7号)
PAGE TOP