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PROFESSIONAL 中・上級者向け解説

只松雄司 九州グレ釣り街道をゆく6

長崎県西浜「立場島北のハナ」

機動力のあるBB-Xスペシャル SZⅡで五目釣りを愉しもう

構えコンパクトに釣りたいときは485㎝、足場が高い所や風が強いときは520㎝と
使い分けができるのがBB-Xスペシャル SZⅡ

グレ釣りは大きく分けて2つの季節で愉しめる。5月後半から7月までの梅雨グレと11月から2月までの寒グレである。では、3月からゴールデンウィークまではどうなっているのだろう?

「この時期はマダイやチヌも釣れ、バラエティーに富んだ季節です。もちろんグレも釣れなくはないですが、一種類の魚を追うというよりも何でも来いの気持ちで釣りに出掛けてみていかがでしょうか」

只松さんの信条は自然に合わせた釣りをすること。今回は、端境期ならではのタックルを準備した。ロッドはBB-Xスペシャル SZⅡの1号。細身でありながら不意の大物にも対応できるパワーがあり、硬式先調子で繊細なアタリもとれる。最も特徴的なのは35㎝のズーム機能だ。磯では状況が刻々と変わり、最適な長さも変わる。BB-Xスペシャル SZⅡは485㎝から520㎝までの伸縮が可能である。

只松さんの狙いは「今はいろんな魚が釣れる時期だからアタリもイメージしているものと違う出方をする場合があります。先調子になっているBB-Xスペシャル SZⅡは繊細なアタリを取るのに向いているのですが胴に乗りやすく、どんな魚にも対応してくれます。天候の安定しない春磯は釣り座の移動もあるから軽いロッドが疲れないですね」

初当り
硬式先調子だが、魚が掛かった後はすぐに胴に乗る。Xガイドは繊細なアタリをも伝えてくれる。

長崎県西浜港を出発し立場島の北のハナへ上がってみると、平らな場所が全くなく傾斜が延々と伸びていた。移動するのは一苦労する場所だ。
狙いの潮は、まっすぐ伸びて本流が走っているかのように見えた。さっそくタックルを組み、仕掛けを流すと底潮はあまり動いていない。つまり上潮だけが沖へと向かっている状況だった。

軽い仕掛けだと上滑りして宙層より深く入っていかない。そこで5Bのウキに0.5号の鉛をセットしてウキごと沈めていく釣りに変更する。
「ようやく潮の中に仕掛けが入りましたよ。あとはマキエと同調して潮に乗ってくれれば何か釣れそうな感じですね」
朝一番のアタリは、ジワっとラインが張る感じだったが見逃さずアワセた。竿のバット部まで乗せて浮かせに掛かるがやけに抵抗力が強い。

足元まで寄せていくと見えてきたのは45㎝を超える尾長グレだ。「底で喰わせた尾長グレはハリを飲んでいたり、きっちりハリ掛かりしていなかったり勝負しづらいよね」タモ入れ寸前まで引き寄せたが案の定、尾長グレに軍配が上がる。

マダイ今日は五目釣りを愉しんでみましょう。

次に竿先にコツコツとアタリ。
アワセを入れ巻き取ると首を振りながら楽に浮いてきたのは、ピンクの魚体に瑠璃色の斑点が美しいマダイだ。緩んでいた底潮が少しずつ動き始めたようだ。まさに季節の変わり目ならではの魚種の多さ。

「いまからはイサキも釣れはじめますし、ターゲットを絞り込むのは逆に難しいですよ」

イサキのタナも深く、同じ層に尾長グレ、マダイ、イサキがいるのであれば釣り人は喰ってきた魚に対応するしかない。
「ちなみに1号竿だと尾長グレなら40㎝クラス、口太グレ・マダイ・チヌであれば50㎝くらいまでが守備範囲だと思ってください」とはいえ、次のゲストは何なのかワクワク感があるのも磯釣りの愉しみである。

チヌ胴でタメて浮かせることができるのでチヌ釣りの繊細さも愉しめます。

潮が上げ止まりの時間を迎え、上潮も緩みはじめた。着水点からそのまま底まで仕掛けが入っていく。バーチカルな釣りになると次に穂先に信号を送ってきたのはチヌだった。

「春だねー」と感慨深げな只松さん。

魚体を見ると縁がかっている。産卵のために外洋から接岸してきた渡りのオス。ということはチヌの群れが入ってきたのだ。
下げ潮に変わったが期待していた方向へは流れず、緩やかなまま上げ潮のときと同じ方向へと仕掛けを運ぶ。この潮の弛み加減をチヌは好む。
それから30m先にツケエがくるとチヌがアタるパターンにはまる。これぞ乗っ込みの荒喰いだ。

移動使わないときは竿を縮めておく。軽量なので移動も楽なのだ。

「こうなるとグレ釣りは難しくなるね」
とはいえ、すでに十分マダイとチヌを釣ったので、夕まづめの尾長グレに気持ちがシフトしていく。より釣りやすい場所まで移動していくとふと朝のことを思い出した。

朝は底付近で喰ってきた尾長グレであったが、チヌの群れに圧されて別の場所に移動してきているかもしれない。バラした魚は大きいと言うが、絶対に釣ってやるという闘志を湧かせるものでもある。

ゼロピット沈むスピードや潮なじみを考えて浮力を調整する。タイムロスはほぼゼロ。

ウキをゼロピットTYPE-A 00号に変更して、試しに潮になじませてみる。
潮が緩いといっても、やはり上潮が滑っている状況には変わりなくウキの入りが良くない。即座に、DVCドライバーで000号へ浮力を調整。「軽い仕掛けで上から下へじっくりと探っていく釣りに変更します」

ハリスにはガン玉を一切打たず、仕掛けが立たないように気を配る。チヌのポイントから離れた場所の引かれ潮に仕掛けを投入すると静かに潮を噛むゼロピット。

尾長のアタリ根に突っ込むグレの走りにも真っ向勝負。パラボラチューンRで美しい曲がりを実現。

ウキを替えて2投目だ。潮目に向かってウキがスルスルと飲み込まれた。
「来たよ、本命」鋭くアワセるとチヌとは明らかに違う引きと力強い走り。
足元には大きな沈み瀬があり、当然グレは根に突っ込むと思われたが、咄嗟にズームアップで得た長さが釣り人をサポートする。
「こんなとき助かるよね」何としてでも獲りたいと願う気持ちが叶う瞬間。

ズームアップ伸縮はシルキーズームで素早く、しっくりとした感触で長さ変更ができる。

ロッドのズームアップで尾長グレの先手を挫く、その効果は絶大なのである。
35㎝のズーム幅だが、やり取りの途中から竿の張りが増すということは、沈み瀬へ潜ろうとする力や角度が魚の思い通りにいかないということだ。

やり取りという力と力の間合いが一気に釣り人に有利になる。一瞬一瞬で勝負の機微が変わる磯釣り。機動力のあるズームロッドは、まさに鬼に金棒である。

尾長グレ磯での五目釣りにはズーム機能があると心強いです。

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