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PROFESSIONAL 中・上級者向け解説

大知昭 in 山口県周防大島

張らず緩めずの底攻めで違和感なく…
大知昭in山口県周防大島

低水温期のフカセ釣りは底狙いが大きなウエートを占める。大事なのはマキエの効いた深いポイントでいかにサシエを合わせ、違和感なく食い込ませるか。周防大島沖に浮かぶハンド島で大知さんの百戦錬磨のワザが光った。

大知 昭(おおち あきら)
プロフィール
大知 昭(おおち あきら)
チヌフカセ釣りに傾注してそのワザを磨き続ける瀬戸内遠投釣法の先駆者。難条件でも釣果を出す技術と気さくな人柄でファンは多い。シマノ磯アドバイザー

遠投して40m沖を狙いを定める

この日、大知さんが目指したのは山口県周防大島沖に浮かぶハンド島。北風が強く、ウネリも出ている状況だったが、午後には南寄りの風に変わりベタ凪になる予報だ。

風が強いときはPEの道糸にフッ素ラインメンテナンススプレーを吹いておくのが大知さんの常套手段。ラインに張りができて滑りにくくなるので、強い味方になるのだとか。

磯に上がると開口一番、「磯近くは浅いので、遠投して、40m沖を狙っていこうと思います。手前には海藻が生えているから、その少し沖。シモリや海藻をかわし、怒らさずに魚を取りますよ」

この時期、基本的にまず狙うのは磯周りで一番深いところ。低水温期は底で釣るか、シモリのそばか、藻の際か、藻に引っ付けて釣るか、藻の中を釣るか、そういう釣り方になるという。

「水温が低い時期には朝早くからはなかなか釣れないよね。早くて午前10時くらいかな。一番いいのが午後2時前後。お昼くらいから、その時間帯をメインに考えて釣っていきます」

40m沖で水深は15mほど。得意の全層釣法で、ネリエを使い攻めていく。

周防大島沖に浮かぶハンド島。チヌの魚影が濃い

この日使ったのはNEW鱗海スペシャル。「軟らかさと反発力を見てもらって、怒らさずに魚を取りますよ」

1尾目は、40mほど沖で食わせた45cm。時期的にも納得のサイズだ

釣り座に立つと、北風は右の方から吹いてくる。そのため、右方向へ仕掛けを遠投し正面のポイントでマキエと合わせていく

マキエからズレないよう

風が強いと上潮が滑ってマキエとズレていく。フッ素ラインメンテナンススプレーを吹いているが、それでもまだ少し滑るほど。

マキエを5~6杯打ち、仕掛けは風上になる、やや右沖に遠投。投入直後に一度ラインメンディングを行い、底でサシエとマキエが同調するように計らう。何度もラインメンディングを行うとマキエを打っているところからズレてしまうので、なじませてからの操作はNGだ。

「サシエが着底し仕掛けが底へはったなというときに、PEライン自体で張りをもたせるか、もしくは竿先でアタリを聞いていきます。このとき穂先の軟らかさも大事になってくるよね」

着底後、アタリを待つときは、ラインをふかせるのではなく、サシエが動かない程度でアタリが取れるくらいの張りを維持する。

風を利用しPEラインを膨らませて張りを持たせラインの動きでアタリを取るか、穂先で直にアタリを取るか。アタリを取るときは竿を寝かせるか、立てるかも重要で、風や潮の流れなどを見ながら一番ズレにくい方法を選ぶとよい。

そうしていると、底へネリエが着くかなというタイミングで少し膨らませていた道糸がスーッ走る。きれいに竿を曲げて浮上したのは45cm級。

「さっきから日が少し照ってきたので、やはり魚は動いたね。どうこれ、ええチヌや!」とにっこりする大知さん。午前10時の1尾目を皮切りに、お昼12時には2尾目の40cm級を追加した。

底攻め作戦的中
日が照ってくると時合い到来!

「藻やシモリが多いポイントでは違和感を与えずやり取りができる軟らかい竿の方がいいね。掛けたら楽しいしね」と良型チヌとのやり取りを楽しむ

お昼近くになるとチヌの活性もアップ。狙い通りに食わせて取り込む。

底にはわせ、乗せて合わせる戦法で40cm級を仕留めた

ネリエ食い渋りイエローと高集魚レッドの2種類を用意

食い渋りイエローと高集魚レッドを混ぜてサシエに

フッ素ラインメンテナンススプレーを吹くと、ラインが風に取られることなく釣りができる

膨らませていた道糸がスッと走るアタリで気持ちよく良型チヌが竿を絞り込んだ

竿先をきれいに押さえるアタリ

お昼を回ると、気温の上昇とともに活性が上がるのか、さらに40cmクラスを追加。

「3尾目は竿を立ててアタリを取っていると、竿先をクックッときれいに押さえたよね。今、当て潮になっているので、より遠投しないといけない感じ。このとき硬い竿だと投げようと思ってもエサが飛んでしまう。胴に乗って軟らかいエサも遠投できる竿がベストなんよね」

午後1時半前に40cm級がヒット。竿を寝かせて竿先でアタリを取っているとクンクン。そのまま乗ってくるという食い方だった。

午後2時前にやや左側へポイントを変更。新たにポイントを作るのにはマキエを打って20分ほどかかるが、まさにそのマキエが効いたであろうというタイミングでゆっくり穂先を持ち込むアタリ。45cm級が気持ちよく竿を絞り込んだ。

このポイントでは、やり取りの最中に何度か障害物に引っ付かれた。「魚が動かなくなったときには藻かシモリに引っ付いてるよね。そこで緩めるとクックッと動き出す。そのときに、違和感を与えない穂先だと、魚が向こうに逃げようとするときに追従して曲がるので、取れる確率が上がります」。

半遊動で底から少し切るような釣りも確かに釣れる。チヌは上に浮くこともあるが、底をはわせ狙う場合もある。

「今日みたいに左を釣ったり、沖を釣ったりしていたら、いちいちタナを測れないよね。だから重めの配合材を入れて、それを底にためて釣って、ポイントを探し探ししていく方がよく釣れます」

この時期にして40cm超えを5尾という釣果は見事というしかないだろう。

障害物に引っ付かれつつ取り込んだ会心の45cm

竿を寝かせ竿先でアタリ取る。この後、クックッと穂先を気持ちよく押さえ込んだ

藻を抜けたと感じたら竿を絞り込む。良型チヌの重量を味わいながらゆっくり寄せてくる

45cm級に納得の大知さん。「胴が軟らかい竿なので距離が出て軟らかいエサも投げられる。また軟らかくした方が食いはいいからその辺を再確認しましたね」

道糸はPEのリミテッドプロPEG5+サスペンド。ハリスはLIMITED PRO MASTER FLUORO TOUGH-MUDを使用

ハリは勝負チヌの1号。キザクラのクリップシンカーを口ナマリにすることも

ウキは鱗海 ZEROPIT 遠投SPを使用。0と00がメイン

曇っているときでも、太陽が出たときにマキエを打つとチヌが食うことがよくがある。これはそんな典型だった

NEW鱗海スペシャル [Rinkai SPECIAL]登場!

NEW鱗海スペシャルは、より穂先が繊細になり、さらなる軽量化を実現。#4、#5の設計を見直し、コアブランクスの相乗効果もあり、“もっともっと存分に曲げてタメる釣り”が可能なロッドに進化している。

「当然、きれいに曲がるんですけど、4番、5番がもっとソフトになっています。そのため違和感がないので自然に魚が食い込む。いわば合わさなくてもいい竿。合わさないでいいということは魚が怒らない。怒らないということは魚が簡単に浮いてくるということ。食い込みがいいからバレも少なくなります」

藻などに引っ付いたときは、緩める、出すという操作で取るが、緩めるとき、穂先が素直に追従するので魚が怒らず、突っ込まない。ちなみに穂先は新開発の高強度ソリッド穂先・タフテック∞を奢る。

ネリエを使うときは竿先でアタリを聞いたり、取ったりするが、その際にも違和感がない。硬い竿だと弾いて違和感を生んでしまう。

「一番から胴までが軟らかくて、重量が掛かれば胴まで乗ってくる。だけど胴はのされない。曲がったまま、力が全部胴にかかっていく。ブランクスには曲げ、ネジレ、つぶれ、あらゆる方向に対して、高強度化を徹底追求したスパイラルXコアを採用し胴の張りで誘導もできるし、魚がいつの間にか弱って勝手に浮いてくる。もちろん遠投も自在。NEW鱗海スペシャルはそんな竿です。とにかく竿が曲がるので楽しいですね。00、0、06、1、1.2号をラインナップしますが、内海だと06号があれば52、53cmも十分取れるし、1.2号はロクマルも狙えるような竿になっています」

鱗海スペシャルBB-X ハイパーフォース コンパクトモデル PE0815D XXGはベストマッチ。リールの軽さもあり、スリムなロッドなので風の抵抗も受けにくい。シャキッとしていて持ち重りしない

NEW鱗海スペシャル。Xシート採用で濡れた手でもしっかりと握り込めるグリップも秀逸

ハイパーノンコンタクトⅡがラインのベタツキを防止。表面に特殊塗装がラインとロッドが接したときの摩擦抵抗を抑える。#3、#4に採用

ゴールドで彩色された鱗海スペシャルのエンブレム

穂先は新開発の高強度ソリッド穂先・タフテック∞。大知さんはトップガイドがゴールドで気に入っているとか

バットエンドにエラストマーグリップを採用。濡れた状態でもしっかりホールド、取り込みしやすくなる。「テーパー状で肘にフィットし片腕で“見せる”やり取りをするときも滑りません」

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