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PROFESSIONAL 中・上級者向け解説

大知昭 黒鯛PE フカセ ザ・バイブル

大知 昭×『リミテッドプロ PE G5+』
黒鯛PE遠投釣法徹底解説!
これがPEフカセだ ~その②~

大知 昭(おおち あきら)
大知 昭(おおち あきら)
チヌフカセ釣りの黎明期から釣り方の考案、釣具の開発に携わってきた第一人者。シマノ磯アドバイザー

張りがあることによるトラブルの少なさ

 PEラインといえばしなやかさが特徴でもあるが、フカセ釣りにおいてはガイドや穂先への絡みが多発する要因でもあった。
「『リミテッドプロ PE G5+』はラインに適度な張りを持たせているから絡みにくい。あとはシマノのオリジナルガイド「Xガイド」との組み合わせで、より絡みにくくなった。この組み合わせをおすすめしたいね。本当にPE?とびっくりするぐらい軽快に釣りができると思う」

大知さんはPEでのフカセ釣りを瀬戸内(チヌ50cmまで)のほか、愛媛県の御荘湾(チヌ60cmまで)でも行った。
その結果、大型チヌを獲るうえでも必須なラインであることが分かった。

 大知さんはPEでフカセをする際にこのことを一番心配していたという。ところがテストで『炎月 G5 PE』を使ってみてとにかく絡みにくいことに驚いたそうだ。同時に専用に仕上げればフカセはさらに進化すると確信。こうしてでき上がったのが『リミテッドプロ PE G5+』なのである。

Xガイドでノントラブル

「ほんの気持ち、穂先への意識を高めにしてほしい。それだけで絡みはまずないよ」と大知さん。ラインだけではない。パーツも進化しているのだ

シマノオリジナルガイド『Xガイド』

段差を少なくした一体成形で糸絡みを激減。穂先全体を軽量化できるので優れた振り抜け感、鋭敏なライン追従性を実現。「このガイドは本当に穂先を重視する『鱗海スペシャル』との相性がいい。PEとも合うので3つで1つと考えているよ」と大知さん

ワンテンポ早いアワセで主導権を握る

 PEラインは、アタリを明確にするだけでなく、アワセのタイミングもワンテンポ早めてくれる。これが魚とのファイト、特に大型チヌ狙いのときは強力な味方になると大知さん。
「大型のチヌだと、静かにサシエを喰ったあとで急に走り出してアタリが出て、こちらが戦闘態勢になる前に突っ走られてアウトってこともあった。PEならナイロンの数段階手前でアタリが出るから、アワせてチヌの頭をこちらに向けることができる。つまり主導権を握りやすくなるんだよ。これは御荘湾でPEを使ってロクマルや55㎝オーバーを何度も相手にしてよく分かった」

比べてみるとPEはサシエに起こる些細な変化を逃さない。
回収するか、流していいかの判断がよりスピーディーに明確になる。またアワセもワンテンポ早くなる。

 掛かってもバラしてしまっては意味がない。大型ならなおさらのこと。これまで悔しい思いをしたなら、PEラインはそれを挽回できるものだと大知さんは断言してくれた。

これが大知流セッティング!

 『リミテッドプロ PE G5+』の号数は3種あるが、大知さんはスタンダードとして0.8号をおすすめしてくれた。これでハリス1.5号と組み合わせてPEフカセを体験してほしいという。竿も「Xガイド」搭載の『鱗海スペシャル』がおすすめで、このライン設定には「06号530」がよいとのこと。

PEのメリットは強度の劣化と吸水による比重の変化が少ないこと。
「このライン、もう4~5回使ってるけど、まったく使用感が変わらないね」と大知さん。

鱗海スペシャル』06号530に『リミテッドプロ PE G5+』の0.8号。
大知さんと同じセッティングで新感覚のフカセ釣りにチャレンジだ。

「まずはこれでこれまでのフカセ釣りの感覚とは違うことを体験してみてほしいね!もっと快適に釣るために、設定しておくこと、注意点もあるから、それも紹介しておこう」

CHECK! ドラグ設定

 伸びのないラインなので、ナイロンと同じようにアワセを入れるには必ずドラグ設定をしておくこと。目安は手でラインをつかんで強く引っ張ると出るくらい。具体的にいうと、500gのペットボトルを竿でブラさげるとじりじり出るくらい。それでナイロンを使っているときと同じ感覚でアワセができるよ。

伸びがないぶん、ドラグでカバーする。

CHECK! リールを軽巻きしない

 張りと腰があるといってもナイロンほどではないので、仕掛けの回収でリールを巻くときは、「軽巻き」(フケたまま巻く)をしないように注意。ラインを軽く指で挟んでリールを巻いてやろう。不要なライントラブルが避けられるよ。慣れてくると自然とできるようになる。

ライントラブルを避けるためにも、この巻き方を習慣づけておきたい。

大知さんオススメの結束方法

 PEを使ううえで、気になるのはハリスとの結束だろうね。FGノットなんかの編み込み式の結束が必要かと思っていたけど、自分は現在どの号数でもサルカンを使って「ダブルクリンチノット」でハリスと結束しているよ。瀬戸内はPE0.6号にハリス1.2号で50cmオーバーを獲ったし、御荘湾ではPE1号、ハリス3号でロクマルも取り込んだ。まったく問題はなかったよ。
それと、サルカンを使うほうが結び方が簡単だし確実にしっかり結べる。PEとフロロの直結は慣れていないとけっこう難しいんだよね。

PEを使いはじめたころはリーダーが必須と思っていたが、サルカンを使えば問題ないと分かった。

サルカンでの結束。瀬戸内では数釣り、御荘湾では何度も大型のチヌを相手にして耐久性を検証して導き出した答えだ。

サルカンを使えば仕掛けのねじれも防げるので直結派の人も試してみてほしいとのこと。

釣り方は変わらない。だからすごい

 PEを使うことで釣り方も変わるかといえば、ここは変わらない。仕掛けを投げる、マキエを撒く、ラインを操作しながら流していくというのは同じなのだと大知さん。
「精度が上がる…というのが一番しっくりくる表現かな。投げたいポイントへ投げられる、マキエと仕掛けを同調させやすい、アワセを入れるタイミングがはっきりするからね」

 これは体験してみるしかない!

アタリからアワセ

「PEでのアタリは、いきなり穂先までガツンと持っていく『ロケットアタリ』になることが多い。だから基本はリールのベールを起こしたオープンベール状態で待つといい。指でスプールを軽く押さえておけば、無駄なラインが出ないし、いきなりヒットしても指を弾いてラインが出ていくから安心かな。アタったときは、もう1度ラインを送り出したあとベールを戻してアワせよう。『鱗海スペシャル』0号や00号なら穂先から2番までが曲がってアタリを吸収するから、ベールを閉じて待ってもOKかな。そこでアワせるといいよ」

 あとは前記したようにドラグ設定を適正にしておくこと。そのほかの仕掛けの投入はナイロン時と変わらない。あとはアタリの明確さと遠投力を体験してみよう

基本的なアタリの待ち方。アタリがあると指を弾いてラインが出ていく。そこでベイルを戻してアワせるのだ。

アタったあとは通常のやり取り。ナイロンと違って魚の動く感触が違う。とまどうのは最初のうちだけと大知さん。

ラインメンディングしようとするときにアタることもある。穂先を一気にもっていく「ロケットアタリ」。そのまま軽くアワせればOKだ。

超遠投で良型チヌを攻略!山口県笠戸湾「下コウズ」

 この日はチヌの活性が低く、30~40mまでアジの猛攻という状況だった。まさに遠投が生きる状況で大知さんは50~60mを超える遠投を披露。見事良型のチヌを引き出した。
「遠投しながら手返しよく釣るのは、ナイロンでは至難の業。PEだからできることだね。アタリも小さかったけど、とらえることができた。そう考えるとPEじゃなかったら今日はボウズだったかもね」

下コウズは独立磯。そのため周囲はアジだらけ。練りエサも通用しない。活路は遠投しかなかった。

30mはあるせり出し。この沖で潮が変化しておりそこを狙うには50mの遠投が必要だった。

手前はアジがびっしり。大知さんは50~60m沖の潮の変化を狙い撃った。
ちなみにこの釣り座、潮汐差でこんな状況に。この瀬をかわして釣ったのだ。

 たしかに仕掛けのなじみが早く、手数が多かった。実釣においても名人の釣りが進化していることを実感。これは新しいフカセ釣りのスタイルのひとつになること間違いなしだ。

小さなアタリに対してチヌと確信を持ってアワせる! PEでなかったら気づかないと思うほどのアタリだった。

「よかった~。あきらめないで釣ることが大事っていつも言うけど、漫然と釣るのもダメだからね。手返しよい遠投が効きました」

45cmクラスを引き出した。その狙いとともにPEのすごさを実感!

大知 昭さんのタックル

ロッド 鱗海スペシャル(06号 530)
リール BB-X テクニウム SUTブレーキタイプ(C3000DXG S RIGHT)
道糸 リミテッドプロ PE G5+(0.8号)
ハリス ファイアブラッド EX FLUORO HARD-TIDE (1.5号)
ウキ 鱗海 ZERO PIT 遠投SP (00号)
ハリ チヌバリ2号
その他 サルカン
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