タックルインプレッション

SHIMANO Tackle Impression

渓流渓流
[インストラクター]

TOKUO WAGATSUMA

我妻 徳雄

昭和35年11月生まれ、山形県在住。
15歳で渓流釣りを始める。白石川、鬼面川水系を中心に、年間約100日の釣行を重ねる。6~7メートルの竿での渓流域の釣りを得意としている。山形県内陸部にサクラマスが戻ってくる日を楽しみに夢見ている。

テクニカルゲーム 攻隼(こうしゅん) ZA

テクニカルゲーム 攻隼(こうしゅん) ZA

喰い込み性能を維持したまま攻めに釣り人の意志を反映できる。

柔軟なグラスソリッド穂先「ビビッドトップ」を搭載した竿は、そのしなやかさによる優れた喰い込み性能と、安定したドリフト性能が最大の特長であると思っている。これまでも歴代のビビッドトップ搭載モデルを振ってきたが、しなやかな穂先の効能は十分に体感したものの、あらゆる操作をスムーズに行えてしまうため、自分の意志で仕掛けを操作するダイレクト感は、やや薄かった感がある。
微妙な張りを持たせた「ビビッドトップⅡ」を採用した「攻隼ZA」は、ほどよいシッカリ感があり、従来の喰い込み性能を維持したまま操作性がアップしている。投入、流し、喰わせといった一連の所作に、釣り人の意志をきちんと反映できるのだ。
掛け調子は「弧渓」や「翠弧」の流れを汲む本調子寄りにシフトした印象だ。魚が掛かると竿全体が曲がって負荷を受け止め、中小型の数釣りはもちろん、不意に喰ってくる大物にも余裕を持って対処できる。テストではハリス0.3号で40cmのイワナ、ハリス0.2号で33cmのヤマメを取り込んでおり、「攻隼ZA」はまさに柔と剛が絶妙に融合した竿といえるだろう。
これまでのビビッドトップ搭載モデルはS中硬のみの設定であったが、「攻隼ZA」はS中硬、S硬調の2アイテム構成へ一新した。S中硬はスレた魚に違和感なく喰い込ませるビビッドトップらしさを体感できる。穂持ち以降の節に張りを持たせたS硬調は合わせが利き、積極的に攻めていけるアイテムだ。

源流彩(げんりゅうさい)NY

源流彩(げんりゅうさい)NY

前作の調子はそのままにパワーとタフさが底上げされた印象だ。

前作の『源流彩』は市場評価が高く、私自身も気に入って使っていた竿だ。 リニューアルされた源流彩はスパイラルX、アーマーコートが採用されたことで、かつての優れた調子はそのままに、パワーとタフさが増強されたという印象だ。魚が掛かると引かれたなりに胴へ入ってくる感覚は前作と同じ。しかし、曲がりが入るスムーズさ、ネジレのない安定した曲げ感は明らかに進化した部分として実感できた。源流で多用するチョウチン釣りは短い糸に負担が集中するものだが、源流彩の粘り強い胴が負荷を吸収してくれるので、多少無理な姿勢で竿を出していても安心だ。 頻繁に節を出し入れする源流釣りでは、しっかりとブランクスをガードしてくれるアーマーコートは大変ありがたい。

翠弧(すいこ)ZL

翠弧(すいこ)ZL

曲げていなす"本調子"「見た目は普通の小継竿だが中身はまったくの別モノ。」

鮎竿と同じ「ウルトラマッスルカーボン」を使い、「パラボラチューン」「スパイラルX」などシマノが持ちうる技術を随所に導入した『翠弧ZL』は細身&軽量で操作性に優れ、そのうえ高感度。見た目はスリムな小継竿だが、中身はまったくの別モノだ。 まず驚いたのはパワー。魚が掛かると負荷に応じて曲がりが入ってくるのだが、そこから竿全体で引きを分散し、魚を怒らせることなくスムーズに起き上がってくるのだ。従来の竿ならば、腕や膝の屈伸を使って竿の角度を保ったり、場合によっては足場を移すといった動作が必要な場面でも、竿全体が曲がってスッと魚の走りを止めてしまう。これが先調子でも抜調子でもない新たなるカテゴリー、『本調子』というものなのだろう。 細身のブランクスは風切りがよく、ネジレを抑制する「スパイラルX」と相まってピンポイントキャストが意のままに決まる。 これだけの扱いやすさがありながら、上級者の繊細なテクニックを即座に反映するレスポンスは見事と言うほかない。

テクニカルゲーム 翠隼(すいしゅん) ZI

テクニカルゲーム 翠隼(すいしゅん) ZI

しなやかなのに止まる。総合力は確実に底上げされた。

二代目翠隼を一振りして、まず気づいたのはスムーズな曲がりだ。調子のつながりでは不利とされる小継竿だが、継ぎ目でカクンと折れ曲がる感じがなく、実に滑らかなのだ。軽いオモリを使っていても障害物周りへのピンポイントキャストが矢で射抜くように決まる。翠隼スペシャルに続いて「スパイラルX」と「パラボラチューン」が投入された二代目翠隼であるが、小継竿としての総合力は確実に底上げされたといえるだろう。 穂先には過剰なブレを抑えるようチューンされた「ビビッドトップⅡ」が配されており、しなやかでありながら振り込み後の止まりが早い。穂先への糸絡みが大幅に減少したことに加え、振り込んだ直後から安定したドリフトに入れるのはありがたい。微妙な誘いを入れやすく、渇水時など弾かれるアタリが頻発する状況下でもしっかりフッキングに持ち込める。ラインの適合幅が広いのはテクニカルゲーム共通の特徴。0.2号といった細糸でのシビアな釣りに対応しながら0.5~0.6号での力勝負もこなす。竿がねじれるような角度からの攻防でも、まったく魚に主導権を渡さないパワーは見事だ。