タックルインプレッション

SHIMANO Tackle Impression

磯・防波堤磯・防波堤
[インストラクター]

SHUJI TANAKA

田中 修司

1970年生まれ、大分県佐伯市在住。24歳で磯デビューするも苦杯を喫し、2年間は堤防でフカセの基礎を独学で磨き再デビュー後、急速に頭角を現し、磯釣り界の第一線に。2013・2017ジャパンカップグレで優勝2回。他にも準優勝、3位各1回、鱗海カップ3位2回の実績を誇る。

ファイアブラッド グレ

使用モデル

Quarter Master 1.2-510

この穂先は第二のウキだ。

潮の動きを感知し、微かなアタリを聞き分ける。
掛かれば反撃の隙を与えない。

クォーターマスターは基本設計として穂先0.8号、#2は1号、#3は1.2号、#4は1.3号、元は1.5号のイメージで作られてきました。今回は最新のコアブランクスの採用で、より張りのあるシャッキッとした調子に仕上がっています。510という独特のレングスがつくるバランスは30~35cmクラスが入れ掛かりになるような状況での手返しが圧巻。40cmクラスが掛かったとき、前作では元竿まで曲がる傾向にありましたが、#4に荷重が乗った段階で魚が浮いてきます。高弾性化による反発力の向上というのとは少し違い、常に魚に適度なテンションが掛かることで体力を奪っていく。曲がりの途中で魚に隙を与えず、加速を許さない。そんな印象です。ですから良型が中心となる五島列島でのジャパンカップにおいても活躍してくれると確信しました。穂先はタフテック∞Xガイドにより、より繊細で高感度に仕上がりました。グレがツケエサを離すまでの時間が長く、違和感なくスーッと持っていってくれます。使い込んでいただければ、流れの中の見えないスポットに入った時の曲がり、微かなアタリを捉えた時の曲がりの違いが穂先を見ているだけで判別できるようになるはず。つまりクォーターマスターの穂先は水面下の状況を表現してくれるウキそのものであり、それが真骨頂です。さらに釣行を共にすれば、見た目の曲がりは同じでも、潮に引かれる曲がりか喰い渋りの魚のアタリかが指先に伝わる感覚で判別することさえ可能になります。

使用モデル

TENTACLE 1.2-530

変幻自在にラインを操る。

幅広い対応力が持ち味。
その真価はトーナメント・オールラウンダー。

1.2号相当を担うテンタクルとクォーターマスター。この2本は単にレングス違いの2アイテムというわけでなく、調子自体が全く異なります。クォーターマスターがピース毎に変化を持たせているのに対してテンタクルは正統手法の1.2号ロッドで、競技志向でありながら幅広い対応力を持たせています。長いからロングレンジまで狙えるという話ではありません。釣りの動作が速いかそうでないかの違いで、クォータマスターは手返し良く数を釣るのに向いていて、どちらかといえばナイロンラインを使うのに適した調子です。
一方テンタクルはPEライン、ナイロンラインどちらもOK。コアブランクスによって振り感が向上した7:3に近い調子はラインコントロール性に優れています。私はウキより潮上にサシエを置くことで仕掛けが馴染みやすくなるという考えから、潮の状況に応じてウキを中心に前後左右、十字の位置にサシエを投入します。このようなコントロール性重視のキャスト、さらにラインメンディングのやりやすさにテンタクルのアドバンテージがあります。また張りのある調子は掛けた魚の荷重をロッドの前方に乗せ、滑らせるようにハエ根の上を通過させるテクニックも使えます。紀伊半島、宇和海、大分の磯など多彩なエリアに対応できる。ウキも軽いのも重いのも使える。ラインも選ばない。魚も小型のアタリを的確に捉え、大型をいなすことも可能。まさにトーナメント・オールラウンダーと言える性能です。

主導権を渡さず、片手でいなせ。

リールとは魚に対して余分なラインを巻き取るのが仕事です。私がラインを送るのは自分の体勢を整えるため。この一点につきます。皆さんは実際のフィールドでラインを出した時にロッドの竿尻をつかんで踏ん張った経験はありませんか?これは一見スリリングなファイトですが、体勢が崩されているから伸され状態で竿尻をつかんで耐える格好になっているのです。腰が曲がり前屈みになることは魚に主導権を握られているということで、魚の走りを止められていない状態です。ライン放出の際にハンドル回転の負荷がかかれば、その振動が魚の口元に響き、さらに違和感を覚えて走ります。従来のデメリットであるハンドル回転をなくしたSUTブレーキを使うようになって、私は竿尻を握ることが少なくなりました。クチブトなら型が良くても、自分の体勢を維持できれば片手操作で十分に対処できます。ロッドを大きく曲げて背筋を伸ばした状態なら主導権は釣り人です。
最近、自分も含めてPEラインを使う場面が増えているかと思います。伸びがなく、やりとりにダイレクト感があるPEラインを使えば、余分な負荷の伝達はもっとリニアになり、魚をバラすリスクも増し、時間を要してしまいます。トーナメントに出る機会の多い私はスピードに重きを置いています。暴れさせず速やかに獲ることで次の一手を冷静に考えることができます。自分のなかの歯車が滑らかに回り続けることで勝利に近づく。だから私はSUTブレーキを使うのです。

プロテック

シビアな状況を打破する

海面下の仕掛けの状況を判断し、臨戦態勢で集中すれば結果が出る。

シマノの先進技術を凝縮してプロテックが大きく進化しました。私がまず唸ったのがより繊細になった穂先の表現力です。魚の微妙な喰い込みにもしなやかにスッと入り、弾くことも少なくなりました。そして使い込むことでラインが潮の流れを受けているのか、風の影響か、魚からの微妙なシグナルか。これらを穂先の曲がりで判断することが可能になります。この情報伝達性能はハイプレッシャーエリアにおいて大きな武器。私のホームである大分県南の磯では、時としてウキは動かず、ラインも走らない。わずかな穂先の震えやラインに添えた指先の感覚で瞬時に合わせなければ釣果を伸ばせないことがあります。そういったシビアな状況を打破するのがNEWプロテックです。また状況が厳しいほど、仕掛けはより繊細になります。その細いラインを守ってくれるのもプロテックの大きな特長。ロッド全体を思いっ切り曲げて、寄せ込むことができます。ぜひタフなフィールドで試してほしいですね。

イソリミテッド

イソリミテッド

すべての進化が衝撃的。このロッドには夢がある。

遂にベールを脱いだNEWイソリミテッド。リールシートを握っただけで、これまでの磯ロッドとは異次元の感覚に襲われました。考え尽くされたXシートのグリップ性能もさることながら、やはり注目すべきはコアブランクスです。上質なカーボン素材を使用したスパイラルXコアに加え、NEWパラボラチューンRXガイドでチューニングしたブランクスですが、魚を掛ければ引きに対してロッドが追従しながらも、魚に負荷をかけて勝手に寄せてくる。そんな感覚です。だからロッドをあおる必要もない。そして起こしたまま巻き込んでも手に負担がこない。すべての節を違和感なく力が伝達されるため良型を片手でタメてのやり取りが可能で、結果取り込みが速く、楽になる。そして強い風など釣り人を悩ませる悪条件下でも、よりブレやネジレが抑え込まれています。前傾・大口径化したXガイドによるトラブルレスはもちろん、やり取り時のラインの抜けも向上。磯ロッドは遂にここまで来たか。そう感じていただける夢のあるロッドの誕生です。

マスターチューン イソ

トーナメントの聖地で良型クチブトに挑む

掛けることを優先した1-530、バランスの良さが光ります。

全体としてみれば、ベイシスをややマイルドにした印象ですが、マスターチューンイソは号数毎に味付けが異なります。

私が今回、使用した1-530は掛けることを優先した調子に仕上がっています。とはいっても操作性だけに特化しているのではなく、魚の引きが乗ってからの突っ張り感はなく、負荷をブランクスが上手く吸収してくれますね。

基本設定はベイシスをマイルドに、ということですが、マスターチューンイソは号数毎にチューニングが異なります。

スパイラルX & ハイパワーX、そしてパラボラチューンが生み出すブランクスの恩恵ととらえています。

最初のプロトタイプをテストしたときは少し持ち重りがあり、やや腕に負担が掛かっていましたが、リールシート位置の変更など、細かい部分を微修正することにより、非常にバランスの良いロッドになったと思います。

45cmクラスのとても元気の良いクチブトを取り込みましたが、腕への負担が少ないですね。

進化したXガイド、細いPEラインにも対応します。

掛かったときに綺麗に曲がり込んでいって、じわじわ起こすことができる。

それでいて魚を掛けるときやライン操作にはシャープに追随してくれます。

それとXガイドですが、口径が少し広くなり、ラインの放出性能がかなり向上しています。

昨年からPEラインでの釣りに取り組んでいて、今回もメインラインにPE0.6号を使いましたが、糸ガラミが多いと言われるPEでも、トラブルはありませんでした。

マスターチューンイソはトーナメントにも向いていると考えています。

30~35cmクラスのアベレージサイズなら、ロッドを起こすまでもなく、曲げ込んだまま連れて来ることが可能で、手返しよくスピーディな勝負に持ち込めます。

サイズを狙うような場合は1.5号。良い魚を掛けても腕に負担が少なく、ためるだけで魚を浮かせることができますね。

タックルインプレッション 田中修司×マスターチューンイソ