タックルインプレッション

SHIMANO Tackle Impression

へらへら
[フィールドテスター]

KIYOSHI OKADA

岡田 清

1968年生まれ、神奈川県横浜市在住。
シマノジャパンカップへら釣り選手権大会は01年、02年と連覇し、03年は準優勝、09年に3回目の優勝をした。ジャパンカップと同様に予選会のある全国大会で通算7度の優勝を記録。「日本最強のトーナメンター」またの名を「鉄人」「トーナメント・モンスター」とも呼ばれる。

飛天弓 皆空(ひてんきゅう かいくう)

飛天弓 皆空(ひてんきゅう かいくう)

変則的な継ぎ数で、
鉄人・岡田清が感じた『好みの調子、硬さ』

『飛天弓 皆空』を手にしたとき、その継数に目新しさを感じることだろう。
7~11尺で4本継(半無垢穂先)、12~14尺の3アイテムが5本継(無垢穂先)、15尺と16尺は6本継(無垢穂先)という変則的な継数からも、従来にはない竿であることがお分かりいただけるはずだ。
竹竿でいうならば、長めで揃っている竹竿というわけでなく、かといって“元は長く、先が短くなる”古来の紀州竿とも異なる、カーボンロッドでしかできない変則的な生地組み(各部位、パーツの寸法)なのである。
『飛天弓 皆空』こそ、まさにシマノロッドテクノロジーが導き出した、現時点で“パワーを引き出す”ことに対するひとつの答えなのである。
6月上旬、野田幸手園で実釣する岡田へ、僭越ながら「これは、ジャパンカップで勝てる竿ですか」と訊ねた。何度も優勝経験のある岡田にだから聞ける質問だ。岡田は微笑んで頷いた。余計な口を利かないが、その態度で、あきらかに勝負竿として意識していることを漂わせる。
今回はプロトロッドではなく、初めて完成品が準備された。岡田は並んだ竿袋から、数本を手にして継ぎ、軽く振るように調子を確認し始めた。
岡田「釣りをせずに振っただけだと、10尺は硬さランクより、ちょっと軟らかいイメージだね。7尺は張りがあっていいね」
実は、この後、実際に仕掛けを付けて釣ったのだが、それが釣る前に確認したときとイメージの違う感触だったという。このところからも、いかに既成概念が通用しない竿であるかが分かるだろう。
岡田「まあ、第一印象で言ったら硬いって言われちゃうでしょう。ボクも竿自体は硬いと思います。でも、硬いから振り込みにくいって感じは全然ないですね。この硬さって、ボクは竿にパワーがあるなって感じるんですよ」
これまで競技会で戦える道具であることを条件に、自分に合う竿を探して数多の釣り竿に触れてきたであろう岡田が、継いだだけでも感じた『飛天弓 皆空』のパワーに期待しているのだ。岡田は、自分が感じたものを確認するため、全国大会の決勝における好時合いでするような「8尺1m両だんご」という王道の釣りを選択した。
岡田は麸エサで始め、ペレットを入れ、エサを重くした分だけ長ハリスにすると次々に釣果を重ねていった。8尺の感触を確かめると11尺も出す。仕掛けを取り付け1枚釣ると、隣席の吉田へ声を掛けるように「これもいいね」と微笑んだ。
岡田「これまでは竹竿風、釣り味を楽しむ・・・ボク的な言い方だと“品がいい軟らかい竿”が多かったような気がします。要するに、曲がる竿がほとんどでしたよね。曲がることに、へら竿の価値を見出す印象すら受けました。『飛天弓 皆空』は、そういう竿と一線を画しています。曲げようとしたって、細かい継ぎ数に分配されたスパイラルXが各部位で働いて、すぐに魚が玉網へ入っちゃいますよね。『飛天弓 皆空』はカーボンらしさの利点を最大限に引き出した製品ですよ。新感覚で、硬さに品性がある。従来品との差は、デザインにも表れていますね。見たことないでしょう、こういうの」
少し長めのハリスでも振り込みの妨げにならず、どこかに余裕すら感じさせる岡田。
勝負竿に成り得るか返事をもらおうとしたとき、岡田「ボクは嫌じゃないんだよね~こういう調子」
それを訊ねるのは愚問だったようだ。