タックルインプレッション

SHIMANO Tackle Impression

船船
[インストラクター]

TAKASHI SUZUKI

鈴木 孝

1963年生まれ。カワハギをはじめ、マルイカ、湾フグなど「アタリをとる」に精通。東京都江戸川区在住。釣り歴45年以上。幼少のころから様ざまな釣りに親しむ。船釣りは中学生のころから自宅から近い浦安の吉野屋に通い詰め、ハゼ、シロギス、カレイなど江戸前の小物釣りを楽しむ。現在はカワハギを中心にマルイカ、アナゴ、フグなど釣行は年間70回以上。カワハギ歴は約15年以上。2007年ごろから競技に重点を置くようになり、様ざまな大会に出場するようになる。主なタイトルは2015シマノステファーノグランプリ優勝。シマノインストラクター、チームステファーノ&くろしおマスターズ所属。

ステファーノ 攻 H177SP

鈴木 孝

目感度4に手感度6
攻め掛けるための竿

今回の激短カーボンソリッド穂先を採用したロッドが[リミテッド]と[攻]。どちらもベースアクションは9:1調子だが、個人的な感覚ではリミテッドはMクラスのイメージでやや柔らかめ。徹底した軽量性を追求し、アタリを逃さずキャッチする堅守万能型的な感じのロッド。それに対し、[攻]はその名のとおり「自分から攻めて積極的に掛けにいく」ための性能=とことん感度にこだわったチューニング。そのため[リミテッド]よりも硬くHHクラスのイメージといえる。感度のバランスに関していえば、どちらかといえば目感度重視の[リミテッド]に対し、グリップエンドまでカーボンモノコックを採用した[攻]は手感度重視の仕上がり。[リミテッド]が目感度6に手感度4、[攻]は目感度4に手感度6で全体の感度を構成しているという印象だ。こんなふうに9:1調子をベースとしながらも[攻]は「手感度を重視した釣り」のさらなる可能性を、従来のどんな竿よりも追求したロッドといえる。まずは研ぎ澄まされた手感度が伝える情報を使っていち早く魚の存在や状態をキャッチし、その後、目感度を駆使して掛けのベストタイミングを突き詰められるロッドといえるだろう。

穂先と竿尻でアタリ増幅
震えるほど手感度の衝撃

今回新たな感度を追求するうえで一番こだわったのが激短カーボンソリッドの穂持部分。ベストバランスを突き詰めようと1年半以上テストに費やした(笑)。従来のカワハギ竿が伝えるアタリのイメージは穂先から手元までスーッと一直線に伝わるような印象だったが、今回は穂持に硬さの異なるセクションを設けることで、一つひとつのアタリがそこを通過するたびに1回1回響きわたる…いわばアタリ増幅装置的な働きを担わせるための新たな工夫が施されている。そして増幅されたアタリをもれなく手元でキャッチするための高感度受信機といえるのが竿尻のカーボンモノコックグリップだ。この両者のバランスを現時点でギリギリまで引き上げたことで、このロッドは驚きの高感度を身にまとった。
実際このロッドを使ってもらえればお分かりいただけると思うが、釣り師の感覚としてはアタリが出るたびにカーボンモノコックグリップが振動するくらいの手感度の衝撃が伝わるはず。もちろんこれはスナイパー持ちにかぎらず脇に挟んだ状態でも竿尻が身体に触れていれば、どこでも同様の感度を鋭敏に伝達してくれる。
また、グリップがトリガーシートなので遠投釣法のフルキャストもスッポ抜ける不安感がなく安心。しっかり握り込めるのでリールの軸が安定し、より繊細な誘い、アタリ察知をサポートしてくれる。従来モデルよりもリールシートを高位置に配したロンググリップは、両手で構えても窮屈さを感じさせないのでスナイパー持ちを常用する私にはありがたい仕様だ。

竿が人を選ばない
誰が使っても釣れる竿

だからこの竿を使った私の実釣イメージとしては「手感度」→「手感度」→「目感度」でズバッと掛けにいく感覚。つまり「穂先が動かない段階でも研ぎ澄まされた手感度でカワハギの寄りをキャッチ」→「エサに対するサワリを手感度が逐一伝え」→「それと連動して穂先による目感度で表現された前アタリから本アタリに至るアワセのベストタイミングで攻め掛ける」という組み立てだ。また、これは使っていただければ実感できると思うが、普通カワハギ釣りは、釣っている本人しか分からないアタリが非常に多いが、このロッドは横で見ている人が「今がアワセ時!」ということが分かるケースもしばしば。
このロッドを手にするようになった結果、私自身、アタリが取れないという場面が大幅に減少した。たとえばアタリはないがエサだけ取られる厳寒期のタフコンディションなどでも、このロッドなら何らかの情報を伝達してくれるから音もなくツンツルテンというケースが激減するのだ。これはオモリを着底させる釣りでも、底を切る釣りでも変わらない。
カワハギの活性が落ちた時、釣れなくなるひとつの典型が手感度だけに頼った釣り方をすることだが、このロッドはたとえそんな状況下でも動じることなく手感度だけの釣りを貫けるほどのポテンシャルがある。過去、横方向の釣りがマッチしない年が何シーズンかあったが、そこには従来のロッドではキャッチできないアタリが存在していたのかもしれない。現代カワハギ釣りに潜むさらに奥深い世界、またひとつ新たな釣技の扉を開け放つニューロッド。[ステファーノ攻SP]はそんな可能性を感じさせてくれる一竿といえるだろう。

ステファーノ CI4+

鈴木 孝

前アタリ以前の反応も捕捉。

タフテックハイパワーXソリッドはカーボン素材の軽さに加えて、引かれた方向に対してネジレずに曲がるため感度が高い。極限的な話をすると、前アタリよりも前に出る「さわり」、餌を取りに寄ってきてはいるけれど、まだ噛んでいない状態さえも感じ取れます。糸フケが出やすい状況ではアタリが分かりづらくなってしまいますが、そんなときでも反応を捉えやすく、加えた力もロスしないので必要最小限の動きで掛けられます。たとえ掛け損ねても、2度目、3度目のアワセを入れることが可能ですね。

キャストしやすく掛けやすい。

スパイラルXのブランクスは、まずキャストしたときに力が逃げないので飛距離が伸びます。ロッドを振るとわかりますが、震えがすぐに収まりコントロール性も高い。それに魚を掛けるときにハリが深く刺さり込みます。さらに高感度なブランクスにより、喰い渋るカワハギの微細な気配すらも手感度として感知できます。また、どの方向にロッドを動かしても与えた力がきっちり伝わり、正確な操作で仕掛けが動きますし疲れにくいと思います。手元に伝わるアタリも普通の構造より断然大きく感じますね。

バットパワーが上がることで、フッキング性能と飛距離が上がる。

僕が注目するStephano CI4+の特徴は、携行性に優れたセンターカット2ピースにすることで、バットパワーが上がったことですよね。ロッドの自重も釣りに大きな影響があるほどは変わりませんし、それならば2ピースの方がバットパワーがありますからアワセに必要な力もあまりいらなくなる。たとえばワンピースで10の力が必要だったのが、7や8の力で同じことができるから楽になります。少ないストロークできっちり掛けられますね。しっかりロッドを曲げることができれば、キャスト時の飛距離も出ると思います。より広範囲に攻められますね。

誘いのストロークに合うギア比7.2
キャスト時の餌がずれにくいSVS

自分の構えだと海面から頭上へ誘い上げる距離が2m10cm。オモリを立てたまま位置を変えず糸フケを取るには、自分の限界であるハンドル3回転でこの距離を巻く必要があります。それに合うギア比が7.2。ハイギアすぎると仕掛けに負担がかかることもありますが、このギア比ならストレスなく巻けて負担も少ない。喰い上げ時も問題ありません。それとSVS。バックラッシュを防ぐのはもちろんですが、キャスト時の仕掛けの弾道が滑らかで餌がずれにくく、刺した状態のまま届けやすいのも特徴です。横の釣りを組み立てるには非常に重要ですよ。

ステファーノ SS

鈴木 孝