タックルインプレッション

SHIMANO Tackle Impression

鮎鮎
[インストラクター]

SATOSHI OZAWA

小沢 聡

1965年生まれ。愛知県豊田市在住。ホームグラウンド・巴川。引き釣り・インライン釣法を武器に01年第17回・02年第18回シマノジャパンカップ連覇、08年第24回・12年第28回大会でも全国制覇。ジャパンカップ4勝は過去最高。

リミテッドプロ トラスティー NW

歴代随一の先調子
瀬の操作性もランクアップ

「操作性(掛けやすさ)」と「タメ性能(取り込みやすさ)」相反する要素を高次元で融合させた数釣りロッドとして独自の世界を切り拓くリミテッドプロトラスティー。「先で掛け、胴で獲る」超先調子チューブラーロッドがこの夏新たにEXCITE TOPスパイラルXコアを搭載し生まれ変わった。
今回で3代目にあたるモデルチェンジ。長年この竿を相棒にする小沢聡が語る。
「トラスティーという竿は『野鮎を掛けやすい竿とはどんな竿なのか?』というテーマを形にした『ゆれない胴としなやかな穂先を持った軽量ロッド』です。シマノのチューブラーロッドの中では最も先調子に分類され、激戦区のスレた鮎も掛けやすいように操作性を極限レベルまで高めていることが特徴。
穂先は細めでしなやかなチューブラー。操作感はチューブラーとソリッドの中間のような感覚で、ゼロオバセ周辺の繊細なオトリ操作がしやすくオトリがナチュラルによく動いてくれます。今回EXCITETOPが搭載されたことにより感度にさらに磨きがかかりましたね。
チューニング的にニューモデルは旧モデルよりも3番を強くし、これまでのモデルの中では最も先調子感を出したアクションになっています。また新構造としてスパイラルXコアという新技術が搭載され全体的に強い設計になったことで繊細な操作だけでなく、瀬で良型オトリを操作する際にも穂先が負けず力強い操作が可能になりました」

スレ鮎攻略に威力発揮
積極操作に高次元対応

操作性とタメ性能。この相反するテーマの追求は毎回苦心するところだが、今回は先代よりも操作性をより高めつつ最新の入れ掛かりニーズを見据えた「トラスティーらしさ」を徹底追求している。
「先調子竿の欠点はタメが効きにくいこと。やはり今作のチューニングでも操作性とタメ性能のバランスをとることが最重要課題でした。とはいえ9年ほど前に初代トラスティーのプロトを手にしてからテストを繰り返してきたノウハウの蓄積があります。先代トラスティーと比較しながら実釣を繰り返し、竿先が揺れず穂先までシュンと突き抜けた先調子でありながら、良型が掛かったときには胴がしっかり仕事をしてタメが効く良好なバランスが完成したと思っています」
この竿が得意とする状況とは?
「一般的な河川における中型鮎の数釣り、特に釣り人が多く野鮎がスレた河川で威力を発揮します。テスト河川はホームグラウンドの長良川、矢作川水系の他、益田川、馬瀬川、相模川、那珂川、有田川など。いずれも毎日釣り人の絶えない人気河川ですが、どの河川のスレッカラシ鮎に対しても満足できる釣果を得ることができました。
先端部がしなやかなのでオトリが弱りにくく自然な状態で泳ぐため、どんな使い方をしても野鮎の反応がよいのですが、穂先の使いやすさがこの竿のセールスポイントなので、立て竿で泳がせながら状況に応じて穂先を軽く効かせオトリの尾を振らせたり、ベタ竿で穂先を曲げてオトリをジワジワと引いたり…と、積極的にオトリを操作する釣りも織り交ぜてみてください」
操作性が際立つ超先調子チューブラーロッドでありながら、野鮎が掛かれば納得のタメ性能を発揮し、安心してタモへと掛かり鮎を導く。鮎師が思い描くひとつの理想を誕生以来かぎりなく追求するリミテッドプロトラスティ―。「魔法の杖」と称される特別モデルが手にした新たな「魔力」が日常のフィールドを新たな入れ掛かりワールドへと変換するに違いない。

スペシャルバーサトル NW / ZW

スペシャルバーサトル NW / ZW

チャラ、トロ、瀬まで
ストレスのなさ徹底追求

「バーサトルのコンセプトは重過ぎず華奢過ぎず、丈夫でパワーがあり、いろいろな状況でいろいろな釣り方に対応できるシマノ鮎ロッドの標準調子といえる万能ロッド。初心者からベテランまで末永く満足して使っていただける竿がこのシリーズの特徴です」
バーサトル誕生から10年以上にわたりロッドチューニングに携わる小沢聡。使用状況を選ばず、どんな釣りにも対応可能なこの竿は細身肉厚でタフな使用にも優れた耐久性を発揮する。小沢は確かな釣具としてのこのポテンシャルに揺るぎない信頼を寄せている。
今回のH2・6 90のアクションは?
「この竿の特徴である細身肉厚設計は竿に粘りとパワーが出ます。初代バーサトルがその特徴が一番出ていました。新たな4代目は原点回帰的に細身肉厚感をより強調したので、竿の硬さ表示よりもワンランク上の硬さを持った竿と間違えるほどのパワーが感じられます。
チューニングでは繊細な仕掛けを使ったチャラ瀬やトロ場の釣りからオモリを使用した瀬の釣りまで、ストレスなく使えるような調子を目指しテストを繰り返しました。今回のロッドも誰がどんな使い方をしても『この竿は使いやすい』と感じてもらえるようなクセのない調子に仕上がっています」

穂先から3番を強くし
ゼロ感覚察知を向上

「一般的な河川で20㎝前後を相手にするならH2・6アクションがオススメです。軽さと操作性のよさで選ぶなら85、大きな川から小さな川まで色々な河川に万能的に対応することを考えれば、やはりスタンダードな90がよいですね。ちなみに25㎝前後の魚まで対象にする場合や瀬に立ち込んで『オモリや背バリでガンガン攻める釣りもけっこうやるよ』という鮎師にはH2・75が合います。
細身肉厚設計なので瀬竿にも引けをとらないほど頑丈でタメが効くつくりになっているので、掛かり鮎との力強いやり取りにも安心して使用可能です。
このH2・6 90は現代鮎ロッドのスタンダードといえる長さなので射程距離、オトリがスムーズに動く広さ、持ち軽さなどのバランスがよく多彩な場面で安定して使用することができます。味付けとしては85アクションよりも穂先から3番までを少し強くしています。これにより胴調子の瀬竿のようなドワドワした感じがなく、しっかりと張らず緩めずのゼロ感覚が取りやすい感度のよい竿に仕上がりました。もちろん先端部を強めにしたのでオモリなどのアイテムも使いやすくなっています。
いろいろな河川で、いろいろな釣り方で、対応する魚のサイズで……とにかく多様性に優れた竿がこのバーサトルです。竿の使い分けをせずに1本の竿でどこでも釣りたい、1本の竿を大事に長年使用する釣り人に自信を持ってオススメできます」
さらにPOWERSELECT SYSTEM採用によりH2・6⇔H2・75のパワーを自在に選択可能。いちだんと状況対応力を高めている。攻守のバランスに優れ、あらゆる状況を釣りこなす安定感抜群のスタンダードレングス。90ロッドのさらなるオールマイティー能力が新たな入れ掛かりを呼び寄せてくれるに違いない。

ラシュラン NP

ラシュラン NP

「引きやすく、引いても掛かる」 このロッドだけに備わる釣れる理由

「ラシュランは当初『引き釣りに適した竿』というコンセプトのもとに作られました。
『引きやすく、引いても掛かる竿』というのは竿にパワーがありながらも、オトリを引いた時に竿先にかかる負荷に応じて穂先から3番あたりまでが、しなやかに曲がり込む調子のロッドです。
初代ラシュランをチューニングした当時、瀬では穂先の硬い硬調子ロッドを使うのが常識でしたが、それではオトリを引いた時に不自然な動きになりやすいうえにオトリも弱りやすく、時にはオトリが浮き上がってしまいます。これが『オトリを引いてはダメ。穂先を曲げては釣れない』と言われる原因でした。しかし、だからといって穂先がペラペラで柔らかいだけの竿は、オトリを引いてもオトリが暴れてイヤイヤをするばかりでうまく引き上げられません。
ラシュランは他のどの鮎竿よりも細身で肉厚設計になっています。細身にすることでしなやかに曲がり込む調子に、肉厚にすることで竿全体のパワーと粘りが生み出される。この独特の調子がオトリを引き上げやすく、釣り人が多い激戦区河川や競技会などのスレた鮎を相手にする状況であっても、引き釣りでどんどん野鮎を掛けられる秘密なのです。
そして細身化によって『風を斬る』ような耐風性能も突出していたのが初代ラシュランというロッドに備わる忘れがたい個性でした。」

ラシュラン NP

90より軽く85を凌駕する射程距離 今までにない88という長さの意味

「今回のラシュランは、初代、2代目ラシュランの全長90に対して全長を88に設定しました。
肉厚竿の欠点は持ち重りです。テストを繰り返し、多くのパーツの組み合わせを試しながら快適な操作性、竿全体の調子を整えていった結果、90よりこの88という長さがベストな仕上がりになりました。
たかが20㎝と思われるかもしれませんが、竿を手に取って構えてもらえれば、はっきりと持ち重り感の軽減が感じられます。それにともない感度もかなり向上してシャープな竿に仕上がっているので、一日中快適にオトリ操作を続けられます。
85より30㎜長いことによりほぼ90同様の射程距離で野鮎にアプローチ可能ながら、85並みの持ち軽さを手にできる。これが今までにない88という微妙な長さが生み出すメリットなのです。」

ラシュラン NP

ゼロ周辺で積極的に穂先活用 胴を曲げ込むほどにパワー発揮

「ラシュランは引き釣りだけでなくどんな釣り方にも対応できますが、この竿の特性を生かすにはオバセをあまり取らず、糸を張らず緩めずゼロオバセ周辺の操作を心がけてください。野鮎の活性が高い盛期には瀬でオトリを上へ上へとガンガン引き上げてもOKです。ある程度穂先を曲げて操作してもオトリは流れによくなじみ、弱りにくく自然なかたちで動いてくれます。攻撃的な釣りをイメージして穂先を使い、積極的なオトリ操作をすることでラシュランの特性が引き出されます。野鮎とのやり取りの際は胴調子なのでタメが利き、不意のアタリにも竿をノサれにくいことが特徴です。その反面、竿をしっかり曲げてやらない とこの竿本来のパワーが発揮されません。野鮎が掛かったら素早く竿を胴部まで曲げて竿を立て、穂先を自分の頭上まで持ってくるようなイメージで竿を絞り込 んでやると驚くほどのパワーと粘りを発揮し、かなりのサイズの野鮎まで手元にぶっ飛んできます。」

プロセレクト VS NP

誰が使っても違和感がない。シマノ鮎ロッドの標準アクションがVS調子。

なかでも今回のプロセレクトは「このクラスでよくここまでの竿ができたな」というのが正直な感想です。黙って渡されたら、ほとんどの釣り人がスペシャル競クラスの竿と勘違いしてしまうでしょう。竿にうるさいベテランでもメインロッドとして十分満足して使えるトータルバランスに優れたロッドです。

85NP

使用モデル1

85NP

軽さ、感度、操作性すべてが向上 85こそ近年短竿ブームの立役者

近年の短竿ブームにより主流だった90という長さが見直され、85をメインロッドにする人が増えています。なぜかといえばこの50㎝短いことによってワンランクからツーランク上のグレードに匹敵する軽さと感度、操作性が手に入るからです。
「短竿に興味はあるが使ったことがない」という方や、短竿の魅力にハマって「もう長竿には戻れない」といった人に、僕から「ぜひとも使ってみてください!」と自信を持ってオススメできる竿にこの85は仕上がっています。女性でも軽々と扱える軽さですので、体力に自信のない方や少しでも軽い竿を……といった方にも適しています。

93NP

使用モデル1

93NP

アバウト操作でも野鮎呼び寄せる 小沢聡が絶賛93アクション

僕の中では今シーズン一番出番が多くなりそうな竿です。
もともとシマノさんの開発者に「流行とか売れる売れない関係ナシ。小沢さんは個人的にどんな竿が好みで使ってみたいですか?」と聞かれ、「ちょっと長めで、柔らかめの竿がほしい。長さは93、硬さはH2.5!」といった話からスタートしました。
「竿は硬くなるほど欠点も多く、操作が難しくなる。もっと楽に鮎がたくさん釣れる竿はこういう竿なんだ」といった僕の理想が込められたロッドです。H2.5 93の利点は
①オトリがナチュラルに広範囲に動いてくれる。バランスのよい(オトリの姿勢がよい)状態をキープできる範囲が広い。
②93という長さとH2.5という柔らかさでオトリに優しく弱りにくい。
③緻密な糸の張り加減は必要なし。ある程度アバウトな操作でも勝手に野鮎が掛かってくれる。
④竿は同じ硬さなら長い方がパワーが出ます。93にすることでH2.5とは思えないほどのタメ性能とパワーを発揮。
……こんなふうに「ちょっと長めで柔らかめ」には数多くのメリットがあります。ぜひとも体感してみてください。
この93オススメ使用方法は短手尻仕掛けです。理想は竿尻にハナカンがくる、いわゆるトントン仕掛け。そこからプラスマイナス5㎝前後で調節してもらうと、柔らかめの竿でも素早く正確なオトリの送り込みと引き抜きが可能です。テストでは手尻0からマイナス5㎝で22~23㎝の掛かり鮎をガンガン抜きました。
釣り人はスピーディーさを求め、手尻は時代とともに少しずつ短くなっています。軟竿+超短手尻の組み合わせは、ひょっとするとこれからのスタンダードになるかもしれません。