タックルインプレッション

SHIMANO Tackle Impression

鮎鮎
[フィールドテスター]

HIDEAKI MISHIMA

三嶋 英明

1971年生まれ。静岡県伊豆の国市在住。ホームグラウンド・狩野川。高松重春率いる狩野川リバースターズ所属。13年第29回シマノジャパンカップ優勝。泳がせ釣りを中核に競技会を戦うが激流での立ちこみも得意。

リミテッド プロ MI HW

使用モデル1

SILKYDANCER 90-95HW

意のままに操る柔軟調子
極小から23㎝まで対応

現在でもなお熱狂的なMIユーザーのあいだで語り継がれる伝説的なMIがある。それはシマノロッドで最もライトなHランクに位置付けされたリミテッドプロMI コンペエディションHK H2.25というロッドである。卓越したオバセ管理能力を秘めたMIのなかで、より繊細巧緻に泳がせ釣技を追求すべく誕生した「別格」と呼べるライトアクションだ。
かつてこの竿を手に大会初勝利を飾った三嶋英明。
「今回約10年ぶりにH2.25が復活します。それがこの〝シルキーダンサー〟。ボディ表記はありませんがH2.25相当に仕上げられたロッドです。
放流鮎をターゲットにする河川が増えたためリミテッドプロMIからH2.25、H2.4、H2.5が消え、H2.6、H2.75が主流になった経緯がありましたが、現在では少々オーバースペックではないか?硬く掛けてからの駆け引きが少なく楽しみがない…との声があったことも事実。一方、天然遡上河川の好調、渇水による野鮎の力の弱まり、また群れ鮎化よってオトリ操作により繊細なタッチが必要となってきたこともあります。
この10年あまりのあいだに何人もの鮎師に『復活はないのですか?』と聞かれたことを思い出しますし、まだ旧H2.25を大切に使用している方もたくさんいらっしゃいます。今回のH2.25はMIユーザーにとって待ちわびた復活劇といえるのではないでしょうか!」
その使用感とは?
「実釣フィーリングを表現すれば前作H2.25の調子がベースになっているので、長年のMIユーザーは懐かしく思える〝あの柔らかさ〟がうまく出ていると感じるはず。
チューニングのポイントは旧H2.25ユーザーが大切にしているイメージのしなやかさをキープ。サイズにバラつきがある天然遡上河川の野鮎をターゲットにすることを前提に、変化の多い河川攻略で各ポイントに対する対応力を徹底追求したいため、特に穂先から3番目までの先端部分のチューニングにはこだわりました。細糸も使える柔軟性と引く、止めるといった操作を行う際のメリハリのバランスを追求しています。
対応野鮎サイズは極小から23㎝くらいですが、魚のパワーによっては21~22㎝が最適というイメージ。メイン水中糸はナイロン0.175~0.3号までテストしましたが十分穂先のパワーが出ているため、太糸でも遜色ない使用感です」

長所受け継ぎすべてを変えたスパイラルXコアの威力

ところでH2.25が消えたこの10年間にシマノではスパイラルXエキサイトトップなどの構造改革がありユーザーから高評価を獲得した。さらに今回スパイラルXの進化形といえる「スパイラルXコア」が新規上級機種に初搭載されている。
「この効果でH2.25も旧モデルよりもハッキリと芯のある調子になりましたね。柔軟性はそのままですがワンランク上のメリハリが感じられます。また掛けたあとも魚が水面を切る動作がスムーズになりバレも軽減。実際に釣り始めてみると一連動作の全プロセスでロッド進化の恩恵を実感できます。オトリを付けて送り出し、オバセコントロールによるオトリとの対話、掛けてから水面を切ってタモに導くまでのすべてで実感できる。最近のリミテッドプロMI愛用者も使えば『何か違う…!』と、よい意味で違和感(笑)を覚えるはずですよ」
さらにこの竿はタフコンディションにも無類の強さを発揮する。
「柔らかくすることでオトリ鮎に対する負担軽減や、穂先の微妙なタッチによる追わせるための変化を出しやすい。また水中のオトリの移動がソフトになることで不自然な動作が減ります。タフコンディション河川では長時間オトリの体力を温存できるのでチャンスが倍増しますね。もちろんバレにくさも見逃せない要素。個人的には最初に大会で勝った竿が初代H2.25だったので〝最強の竿復活〟と言いたいですね」
最新構造スパイラルXコア、そして長年培ったMI調律のノウハウを新たに融合させることで旧モデルの長所を受け継ぎつつ、操作性、感度、パワーそのすべてにわたってランクアップを表現。かつて泳がせの神髄を追求する熱狂的なマニアに支持され、今もなお復活を熱望する鮎師に贈る特別モデル。新たなる伝説がこのロッドからはじまる。


使用モデル1

TIGHTSNIPER 90-93HW

点の泳がせを極める狙撃手

狭小ポイントを拡大変換
ねらって掛けにいく先調子

人工産系鮎種苗が多くの河川で放流されるようになった現在は良型鮎を相手にする機会が増加した。そんな時代背景からもシーズンを通じてオールマイティーに使用できるH2・75は、抜群に汎用性の高いHランクとして数多くの鮎師に支持されている。事実、三嶋英明も近年はH2・75をメインロッドとして愛用する。
「その理由としては競技会の全国決勝は野鮎が成熟した後期に行われること。また友釣り本来の楽しさも梅雨明けから倍増するため想定野鮎サイズを20㎝前後、またはそれ以上とした場合、通常の数釣りであればH2・75はどんな状況でも釣りこなすことが可能だからです。現在数多くの方のメインロッドになっているように、自分自身にとってもなくてはならないロッドといえます」
この夏リミテッドプロMIH2・75が「タイトスナイパー」のペットネームとともに全性能を一新。「ピンスポットをワイドに探る」リミテッドプロMIの威力をさらに追及している。
「このタイトスナイパーは〝これぞ先調子〟と呼べる、前作のリミテッドプロMIH2・75HYをベースにピンシャン感・持ち重り感・操作性をトコトン磨き上げています。今回のチューニングのポイントは後期に開かれる競技会で主軸となるHランクなので安定感を追求すること。時間によって刻々と変化するポイントへの対応力を高め、ねらいをピンポイントに絞り込んだ際に一番鮎を効率よく掛けられる操作性を表現するため、ブランクスの張りを出し自分の意思で気持ちよく〝ねらって掛けにいけるアクション〟を目指しました」

さらに鋭利な操作性生み出す
スパイラルXコア&30㎝ズーム

野鮎の付き場を絞り込み積極的にねらって掛けにいける先調子。さらにタイトスナイパーの名にふさわしい能力を追求するためスパイラルXコア、30㎝ハイスピードズームを融合させ操作性をよりいっそう高めている。
「たとえば野鮎の付き場が多い変化に富んだ河川の釣りでは、ポイント撃ちを繰り返せば繰り返すほど数が出ますし良型が混じる割合も高まります。この竿はねらいを定めたポイントにピタッとオトリを釘付けにできるので、良型を求めてポイント移動を繰り返す釣りにも好適。スパイラルXコアで仕上げた芯のあるシャープなアクションは竿ブレがおさまるのが早くて操作がボケません。ドンピシャでねらえるので素早い見切りにも貢献します。
また、瀬釣りの安定感もアップしていますね。もちろんあまり動くことなくオバセ管理を駆使して狭いエリアを釣り尽くすような数釣り戦略も得意。
一方、瀬など余裕がない場所や少し立ち込んだトロ場の手返しなどを考慮し、ハイスピードズームはスペシャル競MIH2・75でも高い評価を得た30㎝レングスを採用。さらに対応力を高めています」

13~25㎝の数釣り最適
競技会、大石河川が絶好

「天然遡上河川なら中期から後期、放流河川は初期から後期を想定した最適対応野鮎サイズは13~25㎝。とはいえ小鮎から無理をしなければ尺鮎も取れるので、このロッド1本で全シーズン、それこそトリプルフォースなどのパワーロッドを使う場所以外なら威力を発揮できるはず。個人的には長良川や狩野川のように底石が大きく変化の多い河川でサイズ20㎝前後の数釣りや競技会などに最適な使用感です」
現在最もオールラウンドに使用できるH2・75を竿ブレのない鋭利なMIチューンで研鑽。タイトスナイパーの名の通り歴代MIの長所である「ピンスポットをワイドに探る」止め泳がせ的なオトリ管理に抜きん出ることはもちろんだが、さらに「竿が暴れにくいので実は泳がせ以外にも幅広い釣り方に対応できるオールラウンドな一面も兼ね備えています」と新たなリミテッドプロMIの威力を三嶋は語る。

プロセレクト MI NW

ブレのない鋭利な先調子。

自重超越の持ち軽さが生み出す軽快ロッドワークが極上オバセコントロールを創造する。ナイロン・フロロ水中糸を中心に泳がせ系釣技を追求する鮎師にとってこの新たなMIはアソビのない先調子であるにもかかわらず「曲がる」。それが絶妙にバランスした一竿と呼ぶべきアクション。「MIはSCより2~3番の張りがありシャキッとしているイメージ。得意のピンポイント攻略のほか何でもできる調子。ナイロン0.2~0.3号を使っても感度が損なわれず、ちゃんと前アタリが分かります。複合メタルも違和感なし。上位機種より柔らかい調子はタメ性能が良好なので野鮎の皮が柔らかくなったり、身切れが多い時などは違いが明確に。状況によってはこちらのほうが釣果が伸びるかも。18~20㎝が数釣り最適サイズ」(三嶋英明)。浮き石や大石が無数に点在する複雑な流れでピンポイントを次から次へと丁寧に探る釣りは十八番。90でも十分な持ち軽さ。85はより軽快に。プロセレクトシリーズの中で最も持ち軽さを実感できるロッドがこのシリーズ。上位機種よりしなやかなブランクスは同じ調子でもふつうの釣人ならプロセレクトのほうがオトリも弱りにくい。

プロセレクト座談会

名手も唸る
脅威のジャイアントキラー

リミテッドプロ、スペシャルなど上級機種のクオリティーをより身近に感じられる新シリーズとして誕生したプロセレクト。
いよいよ今シーズンはVS、FWに加え、SC、MI、RSが待望のニューラインナップを果たした。
上級機種を脅かすほどのロッドパフォーマンスを秘めたプロセレクトの特徴、最新モデルの実釣フィーリング、この時代に釣れる竿とは?
ざっくばらんな「プロセレクト座談会」でインストラクター陣が語る!

上級機種にはないプロセレクトが釣れる秘密

引き、泳がせ自在対応
先端クッションSC調子

小沢聡(以下・聡)/まずはSCの特徴から教えてください。

松田克久(以下・松田)/SCは操作性のよさが特徴の先調子チューブラーロッドです。特に瀬である程度大きな魚もねらえるパワー系の先調子。パワーロッドにも各種ありますが、胴に入るパワーロッドよりも小技が効く先調子が好き…そんな方にオススメですね。

僕はメインでH90(H3)をテストしました。瀬の中である程度大きな魚を力で抜くという竿でありながらMIより2~3番の張りをやや抑えているので、そのクッション性を利用すると穂先に乗せた引き泳がせのような細かい釣りができるので、小型オトリでも違和感なく使えます。ピンポイントねらいからフラット河川までオールラウンドで使える調子。H2・75の90は君野君がテストしてます。どんな竿に仕上がってる?

君野貴文(以下・君野)/基本的に僕は大河川よりも中小河川、大石がゴロゴロした渓流相的な川が好きなんですが、そんな大石のピンスポットをじっくり泳がせたり、引いたりするのに適した仕上がりになってます。特にナイロンを使った時にナイロンと2~3番のしなやかさが、オトリのよい泳ぎを演出してくれますね。

松田/ナイロン、フロロの泳がせ系の釣り、つまり糸フケを出したり張ったりもしやすいし、複合メタルの泳がせや瀬釣りも容易にこなしてくれます。

君野/僕はナイロン使用の割合が多いのですが、シーズンを通して2~3割は複合メタルも使います。伸びのない複合メタルでも、しなやかな先調子を生かした泳がせやすさがありますね。糸自体がしなやかなナイロンの泳ぎと、糸に伸びのないメタル系の泳ぎの違いを演出しやすい点に独特のよさがあると感じています。

松田/僕も両方使ったけどオトリのなじみがよくて、引きやすいなと感じたんですよね。

君野/そうですね。ベタッとしたある程度流れがある川相でも引きやすさを感じました。

松田/H2・75の対応野鮎サイズはどう?

君野/だいたい18㎝くらいが釣りやすくて、23㎝までは何とかいけるかなという感じです。

松田/H90はけっこう大きいのでもいける。瀬で25㎝が掛かってノサれ気味の状態でもパーンと抜けるくらい力がある竿ですね。あまり硬い竿は好きじゃない人にとっては、H3なんてすごく硬いイメージで「除外!」みたいな感じになりがちだけど、先調子だからH2・6~2・75同様の操作感でパワーもある竿だと思います。

島啓悟(以下・島)/全国いろんな川がありますが、どんな川にSCはマッチしますか?

君野/僕がよく行く兵庫県・揖保川中流から上流域のように石が多い渓流相っぽい場所にマッチすると思います。

島/若干立てたりとか、流れの筋に対して泳がせたり、引きやすい?

君野/そういうことが得意な竿だと思いますね。

小澤剛(以下・剛)/じゃあ郡上とか馬瀬とかも?

君野/そうですね、もってこいだと思いますね。

島/狩野川の上のほうなんかもね。

三嶋英明(以下・三嶋)/似た感じですね。だいたい糸は何号くらいですか?

君野/ナイロン0・2~0・25号ですね。

剛/複合メタルだと0・05号くらい?

君野/そうですね。

島/松田さんはどうですか?H3というと本当にパワー系のサオというイメージですけど。

松田/尺鮎はちょっと厳しいと思いますが、九頭竜川下流域や那珂川、長良川も大石が多いので、操作性のよさがアドバンテージになりますね。あと神通川など良型と小さな天然遡上魚が混じるサイズにバラつきがある川、なおかつ水量豊富な川にはピッタリだと思います。

島/それだと、やや大きなオトリを少し寝かせて引くという感じでしょうけど、立てても問題はない?

松田/終盤大きな鮎をトロ場でねらうのもやりやすいと思います。引き抜きに関していえば特に難しいことを考えなくても、女性などあまり竿をうまく曲げ込んで竿のバネを使えない人でもある意味抜きやすい。先調子竿は魚が浮くのが早いので、慣れれば取り込みやすい。少しジワッとタメるのがコツかな。

プロセレクト座談会

前アタリ伝える鋭敏MI
より扱いやすい専用RS

聡/MIはどうですか?

三嶋/今回85と90の2本をテストしましたが、SCにくらべて2~3番の張りがしっかりしている感じです。

島/同じ先調子でもSCは2~3番が気持ち柔らかめで、逆にMIはしっかりという感じですか?

三嶋/シャキッとしているイメージですね。野鮎サイズ的には18~20㎝が釣りやすいですね。

剛/硬さは?

三嶋/90がH2・6で、85がH2・75です。短いと間合いがないので、少し硬めの設定で引き抜きやすい感じになってます。で、普段はリミテッドプロなどを使ってるんですけど、基本的にそれに負けないような感度がありますね。やはりMIはピンポイントをねらったり、何でもできる竿という調子でチューンしているので、どこでも平均的なねらい方ができる調子作りですね。そのなかでナイロン0・2~0・3号を使って感度が損なわれず、ちゃんと前アタリが分かります。

松田/ナイロン、フロロでも感度がボケないと?

三嶋/面白味を出すにはそこが一番大切かなと。近くにいるよ、今から掛かるよ、というのが分かるので。糸を張らないぶん、寝かせた時より立てた時はそれが伝わりにくいんですけど、しっかり伝わりますね。

剛/ポイントは選ばんのだろうけど、狩野川メインでテストしているんですよね?

三嶋/そうですね。ホームグラウンドの狩野川でテストしつつ、山梨県・桂川とか近くの河川に遠征しながらよい部分を引き出すことに努めました。場荒れした人気河川で数を伸ばすという時でも感度、操作性は満足できるレベルです。

剛/糸はナイロンに特化している?

三嶋/いや、最近は複合メタルも使ってますけど、そこは違和感ないですね。基本的には先調子なので胴に乗るまでは時間を要するんですが、SC同様抜く時はジワジワと遊びながらゆっくり操作してもらえれば、すごく楽しめる竿ですよ。

聡/島君が担当したRSはどんな仕上がり?

島/今回のプロセレクトは85、90の2アイテム。SCもMIも先調子ですが、RSの先調子と何が違うかといえばRSは「曲がりをうまく使える先調子」ということへのこだわりです。たとえばリミテッドプロやスペシャルにもRSがありますが、上級機種になるほど先端のRSソリッドを細くしてより操作しやすい調子にしています。それに対してプロセレクトは若干太くすることによって、使い勝手をアップさせたイメージですね。

RSにはサイズ対応の幅を持たせるためにPOWERSELECT SYSTEMが採用されています。標準のRS穂先は釣り頃サイズの数釣り対応タイプになっています。替穂はパワータイプになっていますので、メリハリを効かせた使い分けが可能です。サイズ的には18㎝くらいまでは標準RS穂先、それ以上になったら替穂がよいと思います。

聡/どんな川にバッチリ合う?

島/テストは板取川、長良川、馬瀬川上流、有田川など。湖産系がよく釣れる初期、全体的に好調な中期、後期の天然遡上河川で11月初めくらいまで釣りましたが、穂先をうまく使ってもらえれば18㎝までの釣り頃サイズ相手なら、どこでもいけるなという感触ですね。

プロセレクト座談会

イージーに楽しめ
より数が釣れる不思議

上級機種との違いはココ!
プロセレクトが釣れる理由

聡/プロセレクトはなぜこれだけの高性能で価格が抑えられているのか? と考えると素材ですね。竿の値段は素材で決まる。簡単にいえばリミテッドプロほど高弾性ではないカーボンを使っているので、これだけ値段が下げられる。料理でいえばカーボンは食材みたいなもので、各インストラクターが味付けをして高級料理に負けないように仕上げた…それがプロセレクトだと思います。

実際FWは剛が17年の中日スポーツ杯という絶対に負けられない大会で、リミテッドプロではなくプロセレクトFW85を使って見事優勝。何でリミテッドプロがあるのにプロセレクトの85をチョイスしたのか、えらい興味あるんだけどな。それだけ完成度に自信があった、ということだろうけど。

剛/まぁ、いろいろ理由はあるけど、一番の理由はプロセレクトシリーズで結果を残したかった。口では「いいサオができました~」「負けませんよ~」とかいくらでも言えるやん。でも、やっぱり使って結果を残したかったのが一番。

大会会場が馬瀬川だったので85が向く。ベリーベスト85も持っていたけれど、野鮎が小さかったので少々オーバーパワーかなと。リミテッドプロよりプロセレクトのほうがしなやかなので、じゃあ迷わずプロセレクトでいこうと思ったのが、あの時の状況でしたね。

プロセレクトはリミテッドプロにくらべるとカーボン弾性は確かに少し低いんだけど、そこが逆に粘りが出たりとか操作する時にオトリに優しかったりとか、メリットもたくさんあるので、そこは適材適所かなと。リミテッドプロFWは軽くて肉薄だからちょっとデリケートな感じもあるけど、プロセレクトシリーズは少し弾性が低いぶんそれが全然ない。そういった部分でも安心して使ってもらえると思いますね。

聡/僕がVSを使っていて一番感じるのが、タメ性能がよいこと。

剛/そう、粘りがあるね。

聡/かなり大きいのが掛かっても、ノサれてイトが切れてしまうという状態になりにくいし、思いきり曲げてもしっかり竿全体が働いてくれるので、安心してタメられるところなんかはリミテッドプロより上じゃないかと思いますね。あと、ちょっとムリしても安定感がある。少し雑な扱いをしてもヘッチャラで使える点も大きなメリット。

剛もそうだけど、僕らのようにサオを寝かしてオトリを引く釣りにはパリパリに硬くて張りがあり過ぎる竿はオトリが浮いて引きにくい。ちょっとしっとりした感じのある竿のほうがオトリがなじみやすくて弱りにくく、引きやすいね。

剛/ちょうどいいって感じでね。

聡/そういった意味ではこのカーボンの素材自体がそんな特徴を持っているから、特に僕らみたいな釣りには合うのかなという感じはしますね。皆はリミテッドプロとかスペシャル競クラスの高弾性ロッドとくらべたメリットはどんな感じ?

三嶋/いつも使ってるのがスペシャル競とリミテッドプロのMI。それにくらべると確かに弾性が落ちるので柔らかく感じますけど、そのぶんやっぱりタメ性能がいいですね。雨のあとで皮が柔らかくなったり、身切れが多い時などは違いがハッキリと出ます。そんな状況ではMIが先調子であるぶん、リミテッドプロよりよい部分がある。

状況によってはこちらのほうが釣果が伸びると思うので、それを使い分けるとよいと思います。これ1本持っていれば、一段階上にいけるかなと感じますね。初心者には最適で、トーナメントに出ている人でも、手返しは遅くなりますけど、そのぶん身切れが少なくなるというメリットもあるので、確実に1尾目を取るにはリミテッドプロに迫る可能性を持ってますね。

聡/もともとMIはパリパリのアソビのない竿だもんね。上級者はそれこそレーシングカーを運転するみたいな感じで、リミテッドプロMIを使うけど、逆にすごい集中力が必要だったりするからね。プロセレクトだと少しアソビができるから、気楽に釣れるかもしれんね。楽な釣りをしても釣果が出そう。

三嶋/そうですね。同じ調子でもプロセレクトのほうがオトリの弱りが遅いので、長時間遊べますね。プライベートでも1日しっかり遊べます。

松田/自分も普段はリミテッドプロなどを使っていますが、今年初めてプロセレクトを使わせてもらって、聡さんが言われたとおり、低弾性で若干張りが消えるぶんリミテッドプロよりオトリがなじむ、引きやすいなと感じましたね。剛さんが言うような安心感もあります。太仕掛けの力勝負でガーンと抜くような時は、リミテッドプロだとちょっと怖いかなぁという部分はありますけど、この竿だと多少無茶しても大丈夫という安心感はありましたね。感度はリミテッドプロより確かに落ちますが、釣果的にはあまり変わらないかも。

君野/皆さんの感想とほぼ同じですが、やっぱりオトリに優しくてなじみがよい。オトリを弱らせにくいですね。あと、少々ラフな操作をしてもサオが吸収してくれます。

聡/それは大きいですよね。

君野/かといって、目印がいつまでもブレて止まらない、ということもない。そのへんはすごく使いやすい竿ですね。

聡/島君のRSは穂先の使い方が命なので、サオが絶対にブレちゃいかんと思うんだよね。

島/リミテッドプロとかスペシャルのこだわりとしては、ブレずに先端部の曲がりをよりオトリ操作に生かせる竿だと思うんですよ。特に競技会のように制限時間内で数を競うなら、どうしても繊細さや軽さ、張りを求めるので、そんなロッド設計になる。けれど、このプロセレクトは楽に数が釣れて安心して使えるシリーズ。

僕が思うに友釣りはオトリの生きた泳ぎを有効活用することが大切だと思うんですが、カリカリに研ぎ澄まされた竿で鮎師が操作しすぎると、意図せず釣れない状況を作り出してしまうこともある。それを考えると若干柔らかさがあって、少し操作性は落ちるものの、それが逆によい状態を生み出し持続できる…というのが、このシリーズのよさかなと。

プロセレクトRSは実際よく釣ってくれるサオでした。高弾性のリミテッドプロよりナチュラルに釣れる状況を作り出してくれるような感じがある。掛かってからはタメ性能もよいので早く上げる必要がない。安心して取り込める。ストレスなく1日楽しめる仕上がりになっています。

聡/ということで、それぞれ特徴がありますけど、これでいよいよVSからはじまってFWが出て、新発売のRS、MI、SCと種類も豊富になりました。自分のホームグラウンドの川相に合わせたり、好みの調子など、いろんなパターンで選んでもらえるようになったと思います。カタログにはよく「初心者に」とか「中級者に」とか書いてありますけど、トーナメンターならともかく、ベテランでも妥協せずに十分満足して使ってもらえるロッドだと思います。

プロセレクト座談会

激龍(げきりゅう)NP

荒瀬LIGHT85NP

使用モデル1

荒瀬LIGHT85NP

繊細泳がせ攻略にも対応 後期の尺鮎もターゲット

昨シーズンこのロッドを手にした三嶋英明は強烈な威力をこう語る。「超硬よりマイルドな荒瀬ライトは野鮎の低活性時、釣り荒れ気味など、ちょっとシビアな状況にもマッチするアクション。複合メタルやメタル0.08号くらいを使った泳がせ系アプローチもこなしてくれます。引き抜き性能に関しては23~25㎝を楽々と引き抜け、強引なやり取りで勝負に出ることも自在。掛けてから自分が下れば尺鮎にも対応できますから、シーズン後半の大鮎ねらいで手にしたいロッドともいえますね」

110NP

使用モデル1

超硬85NP

立ち込み返し抜きに無双の威力 10号玉激流攻略も余裕でこなす

「標準穂先径3.0mmの超極太穂先を誇る超硬85の威力は激流域での10号オモリ使いも余裕でこなしますし、水量豊富なポイントから掛かり鮎を持ち上げる力も今までのロッドとはケタ違い。個人的には500mlペットボトルも引き抜ける! と思えるほどのパワーを感じますよ(笑)。やはりスパイラルXでネジレにも強く、どんな状況で掛かっても思い切り絞り込める安心感が頼もしい。那珂川や九頭竜川など掛けたら一歩も下りたくない立ち込みポイント、激流域の返し抜きスタイルにピッタリです。九頭竜川のテストでは27㎝まで楽々とぶち抜きました。85はシマノ最硬のブランクス。それゆえ店頭で振った際に若干持ち重りを感じるかもしれませんが、これはパワーと粘りを秘めた証し。立ち込んで釣ってみれば逆にそのよさに気付くはずです。激流域での真っ向勝負で手にしたい最硬ロッド。個人的に非常に欲しい1本ですね~(笑)」