フィッシングコラムフィッシングコラム

  • イヨケン STRONG STYLE
  • 素晴らしき投釣りワールド
  • 鮎入れ掛かり!?ブログ
  • Fantastic F.F Story ON THE STREAM
  • 絶景ドリームツアー 釣行レポート
  • シマノ渓流 開発奮闘記

素晴らしき投釣りワールド

【素晴らしき投釣りワールド】:VOL.211 ~2017 シマノ ジャパンカップ投げ(キス)釣り選手権 全国大会 観戦記 4~

日置 淳
日置 淳
全国各地を釣り歩く投げ釣りのエキスパート。
各種キャスティング大会で輝かしい好成績を残し、いま最も注目されているトップキャスターでもある。

見事、決勝戦に駒を進めた草野・河合・清水の3選手が壇上に上がり、私が3選手に決勝戦に向けての意気込みをインタビューした。

草野・河合両選手は、「終始フルキャストします」との意気込みだったが、清水選手のみ「投げません」と答えられた。
 決勝戦に使用されるエリアは、2日間の予選ブロックで全く使用されていなかった場所。
 いわゆる「サラ場」なのである。
 30分間×3試合の決勝戦では、予選以上に効率の良い試合運びが要求される。
 手返し良く釣っていくのであれば、「投げない」と答えた清水選手が圧倒的に有利に思えたのは私ひとりではないはず。
 おそらく近場にたくさんのキスが残っていると予測したからである。
 3選手に十分なインターバルが与えられ、決勝戦の競技説明が行なわれた後、「ファ~ン!」と試合開始のホーンが弓ケ浜に響き渡った。

公言通り、草野・河合の両選手は残された力を振り絞りフルキャストしている。
 この草野選手のフルキャスト写真は決勝戦にて私が撮影したものだが、とても5試合を戦った後とは思えない程力強いもので、そのスイングの速さは後方で観戦されているギャラリーの方々からもドヨメキが聞こえる程。

まだまだ力は有り余っているのか?

ちなみに、この写真は砂浜を横に引きずられたオモリを縦軌道に変えた直後ショット。
 通常なら、オモリは遠心力で右方向に旋回し、スイングプレーンが乱れてコントロールが悪くなるのだが、彼の場合、上半身を体重の乗る左脚側に傾け、身体の捻点を目一杯使い、竿を縦に振っているのである。
 この縦振りこそが、200m以上のキャストにおいても正確なキャストを可能にしているのである。
 彼のスイングは、ただ強引にロッドを振っているだけに見えがちであるが、実は緻密(ちみつ)に計算された投げ方なのである。

超遠投を披露する両選手とは違い、清水選手は比較的近場を丁寧に探り、小型主体ながらも時折、良型のキスを手中にしているのが見える。
 河合選手も良型を交え、比較的好調なスタートを切っているようだ。
 3選手の中でリーリング時間が一番長かった草野選手は超遠投で良型を数匹取り込んでいる。
 この草野選手のみ、予選リーグと比較してサビくスピードが若干速いように見えた。
 「サラ場」ゆえキスの活性が高いとの判断であえてそうしているのか?
 それとも、「優勝」という2文字が頭の中をよぎり、焦りからの早いサビきなのか?…。

あっという間に第1試合が終了。
 試合を見守る全審判から「僅差で草野選手がトップだろう」との予測を耳にする。
 皆の予想に反して、あまり近場にキスが群れていないようである。
 「サラ場」においても遥か沖に良型が群れているのか?

第2試合、第3試合と進むが、ほぼ互角の戦いで競技が進行された。
 しかし、かなりの沖から仕掛けを回収していた草野選手の仕掛けに良型ばかりが数匹。
 これで草野選手が一歩リードしたように見えた。
 試合が進んでいく中、草野選手のキャストで気になった事があった。
 試合の後半、タラシの長さを数十センチ短くしてキャストしている事に気付いた。
 おそらく、長時間フルキャストを繰り返しているうち疲労でロッドへのオモリの乗りが悪くなって、少しでもオモリを速く乗せたいとの思いから思い切ってタラシを短くしたと思われる。
 これはロッドをきっちりと曲げる事の出来る上級者が良く使うハイテクニックなのである。
 あっという間に第3試合を終えるホーンが鳴り、今年のファイナルは終了した。
 多くのギャラリー、選手が見守る中、検量が始まる。
 私と同じく審判を務めた山本修さんが洗ってくださったキスを私が検量し、重量を読み上げる。
 結果、草野選手が867グラムと、他の2選手に100グラム以上の差を開け、第33回シマノジャパンカップの覇者となった。

ちなみに草野選手は今年49歳。本人曰く、「もう40代後半なので、さすがに最後は疲れた」と言っていたが、タラシを短くするハイテクニックを披露するなど、最後の最後まで終始フルキャストを繰り返した雄姿はとても40代後半には見えなかった。
最後に、インタビュアーも務めた私が表彰台の壇上の草野選手にインタビューした内容を以下に記載しますので、参考に出来る所は参考にしてくださいね。


日置 今回も全ての試合でシマノの市販仕掛けを使ったとお聞きしましたが…
 草野 はい。掛けキス5号のビーズパターン5本針を使用しました。引っ張るだけで取り出せる紙巻きのタイプです。

日置 エサ付けの時、いつも滑り止めの石粉を使用しないのは何故ですか?
 草野 エサ(チロリ)に石粉をまぶすとエサの活きが悪くなるので、砂浜の砂を滑り止めとして使用しています。

日置 今回の試合中、良型のキスが掛かった時に限って、リールのハンドルを巻く左手の指が立ってたように見えたのですが、あれは背後で見ている人に対して良型が掛かっているという合図だったのですか?
 草野 それは意識してなかったですねェ~(笑)…。

日置 今回、1試合あたりの最大釣果を得て、皆生温泉ペア宿泊券を獲得され、すごく喜んでおられましたが、どなたと行かれるのですか?
 草野 それは言えません(笑)…。(奥様と行かれるのでしょうね)


以上、今回で、わたくし日置淳目線のジャパンカップ投ファイナル観戦記を終了と致します。
 草野選手、本当におめでとうございます。