2019

2019 シマノ ジャパンカップ クロダイ(チヌ)釣り選手権大会

2019 シマノ ジャパンカップ クロダイ(チヌ)釣り選手権大会 2019 ジャパンカップ クロダイ(チヌ)釣り選手権大会

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シマノ ジャパンカップ クロダイ(チヌ)釣り選手権全国大会 速報

上位3名

優勝 百合野 崇 選手
準優勝 横路 幸浩 選手
第3位 内海 通人 選手
遠投・高速スルスルで大型クロダイ乱舞!
山口の名手、百合野 崇選手が初の頂点
日時 2019年3月23日(土)3月24日(日)
場所 九十九島一帯(長崎県佐世保市)
主催 株式会社 シマノ
後援 長崎県佐世保市、公益財団法人佐世保観光コンベンション協会
天候 晴れ

去る3月23日(土)、24日(日)、九十九島一帯(長崎県佐世保市)で「第9回シマノ・ジャパンカップ クロダイ(チヌ)釣り選手権全国大会」を開催いたしました。

今大会に出場したのは、全国9会場の地区大会を勝ち上がった24名に、昨年度全国大会上位3名のシード選手を加えた27名の精鋭たち。

昨年に引き続き全国大会の檜舞台に選ばれた九十九島は、佐世保港の外側から25kmにわたり208もの島々が点在する景勝地。日本百景に選定されており、2018年には「世界で最も美しい湾クラブ」のひとつに認定されました。
開港130周年を迎えた佐世保港とともに佐世保市が誇る豊かな自然の中で熱戦が繰り広げられます。島々を縫う湾の水道は深く複雑。栄養豊富な海域の証といえるカキなどの養殖筏も各所に点在。50cm超の大型クロダイの宝庫として知られる九州屈指のフィールドです。今大会が行なわれた3月下旬はまさにクロダイの乗っ込みが本格化する最盛期。

予選は3試合。各3時間のマンツーマン対決でクロダイ(チヌ)ならびにキチヌ(キビレ)の釣果を競い、勝ちポイントと重量差で順位が決まります。寸法制限を設けず尾数制限を5尾とし、より価値の高い1尾を引き出すことに主眼を置いたルールを設定。

今大会はグレ釣り競技で名を馳せるエキスパートが数多く参戦。しかし結果から言えば筋金入りのクロダイ師がその強さを見せてくれました。1日目の予選2試合を終えた時点で全勝選手は百合野崇選手、横路幸浩選手、入江幸太選手、内海通人選手、深江進太朗選手の5名。いずれもサオ2本、3本という深い海底をきっちりと釣ることができ、繊細な居食いアタリも掛け取れる手練です。
シビアな状況でも粘り強く釣りを組み立て、貴重な1尾を引き出します。この時点でトップランナーに躍り出たのは6,276gもの総合重量差を付けた百合野選手。「チヌ釣りの神様」と称される大知昭さんの愛弟子であり、得意の遠投釣法が炸裂して激走します。

2日目の予選3試合は京都のグレ釣り名手である生駒浩史選手との対決。4尾対4尾というハイスコアな熱戦を繰り広げた結果は、百合野選手が5,619g、生駒選手が4,005gとなり、大型を揃えた百合野選手がトップのまま駆け抜けて決勝の舞台に勝ち上がりました。
さらに3戦3勝となったのはチヌ釣り王国広島のエキスパート、横路選手と内海選手。順位を決める予選3試合分の合計重量差が算出されると横路選手が4,023g、内海選手が3,499gとなり、横路選手が2位通過となり、百合野選手との頂上決戦を迎えます。

決勝の舞台は「鳥の巣のハナレ」。境界線は南西方向に延びる長く張り出したハエ根とし優先権のある百合野選手は左の釣り座から勝負に出ます。
選手、役員が見守るなか試合開始のホーンが高々と鳴り響き、インターバルなしの2時間の熱戦が幕を開けました。

九十九島は九州の中でも潮位差の大きな釣り場。今大会の潮回りは大潮。さらに気圧の急変が引き起こす「あびき」という現象も相まって潮位差が約3mも生じていました。そしてこの日の佐世保の満潮時刻は10時32分、決勝開始は11時30分。下げ潮での競技になり、境界左の沖向きの釣り座のほうが浅いと読んだ百合野選手は、潮位が高いうちに浅場を釣ることを選択します。右手ハエ根からのカケアガリをよりどころに30m沖をポイントと定めます。
対する横路選手は右の岬にバッカンをセット。足もとから延びる根の際から沖20mくらいまでをポイントと見ます。

横路選手は全国大会5度目の常連で準優勝の戦歴の持ち主。昨年度も予選を勝ち抜き、九十九島の舞台に立ちましたが「深くて潮が動かずチヌがほとんど底でしか食わない。難しい釣り場」と翻弄されたようす。そして今大会の切符を勝ち得た時点で九十九島攻略を試行錯誤。その末に見出したアイテムが磯釣り専用PEの「LIMITED PRO PE G5+ サスペンド」0.8号とカン付きウキです。いわくPEで感度を高めて小さな居食いアタリも取り、イト落ちがスピーディーなカン付きウキで仕掛けを底に速く馴染ませ安定させます。またイト抜けがよいことから食い込み効果もアップ。その結果が決勝進出に結びついたと話します。
一方の百合野選手は今大会の自身の釣りを「遠投・高速スルスル」と称しました。ウキは「鱗海 ZEROPIT 遠投SP」00号。さらに沈みをよくすべく板鉛を貼り付けたマイナス浮力に調整し、ミチイトのPE0.8号に直通しにします。ナビの下に極小サルカンを介してハリスは1.5号。上滑りする潮にとられないようにサルカン下にG3を2つ打ち、仕掛けを高速沈下させ、かつ底にしっかり留めるのが予選トップ通過を果たしたパターンと言います。

両者とも丁寧に寄せエサを固め打ちしてポイントを構築しますが、サオの曲げ合いとなるような乱打戦にはならず。百合野選手が早々にチャリコを掛けたものの、こう着状態が続きます。クロダイはエサが効くまで時間を要す魚。60分ハーフという短い競技時間となればシビアな試合運びをしなければいけません。あちこちとエサの投入点を替えれば自滅に導くことも多く、最初のポイント設定が極めて重要です。交代となれば新しいポイントを作り替えるより、相手選手がエサを打ち続けたポイントを再度探ったほうが魚を分散させず効率のよい釣りができます。そのため己の釣りに集中しながらも、相手選手が寄せエサを打つ位置や距離を互いに注視しています。両者焦れるような時間が刻々と経過して前半が終了。ポイント交代では両者が入れ替わる格好でほぼ同じポイント位置を探ります。

潮はみるみる引いており、沈んでいた境界線のハエ根がぽっこりと頭を出しました。風は南西より強く吹き、百合野選手の釣り座では正面の風となります。それをものともしない遠投技術で沖の海底を攻め続けています。
試合が動いたのは12時56分、後半間もなく30分という時に、百合野選手が快心のアタリをとらえました。居食いです。アタリを聞いた瞬間にのっしりとしたクロダイの突進が始まり、愛竿「NEW鱗海アートレータ」0.6号が滑らかな弧を描いて受け止めます。じわじわと銀鱗が浮上し春の柔らかな日差しに照らされます。そしてタモに滑り込んだ瞬間、緊張の攻防を見守った選手・役員から暖かい拍手が沸き立ちました。
横路選手は百合野選手優勢の空気に飲まれないように海と対峙。ポイントを淡々と構築し、クロダイのシグナルに集中します。しかしアタリは遠く、変化が起きません。
一方エサに魚が付いていたのは百合野選手でした。13時7分に穂先を引き込むほどの痛快なアタリが出て、風を切るようにして合わせます。すばやく浮いてきたのは小型のキビレ。さらに試合終了5分前にもサオ引きアタリをとらえますが、満月を描いたロッドがプンと反発。これは手前の根に擦れてハリス切れとなり、天を仰ぎます。横路選手も最後まで集中していましたがクロダイは微笑んでくれません。そのまま試合終了のホーンが潮騒をかき消し、1,456gの釣果で百合野選手が初の表彰台の頂点に上り詰めました。

九十九島は百合野選手の第2のホームグラウンドといえる馴染みの釣り場。応援する仲間や師匠の大知昭さんにも祝福され、爽やかに喜びを噛みしめていました。

※文中敬称略

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