2018

2018 シマノ ジャパンカップ クロダイ釣り選手権大会

2018 シマノ ジャパンカップ クロダイ釣り選手権大会2018 ジャパンカップ クロダイ釣り選手権大会

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シマノ ジャパンカップ クロダイ釣り選手権全国大会 速報

上位3名

優勝 矢吹 壮 選手
準優勝 藤原 実浩 選手
第3位 国見 孝則 選手
絶景!九十九島の激闘
信念の若武者、矢吹 壮選手が食い渋るチヌを制覇
日時 2018年3月24日(土)、25日(日)
場所 九十九島一帯(長崎県佐世保市)
主催 株式会社 シマノ
後援 長崎県佐世保市、公益財団法人佐世保観光コンベンション協会
天候 晴れ

去る3月24日(土)、25日(日)、九十九島一帯(長崎県佐世保市)で「第8回シマノ・ジャパンカップ クロダイ(チヌ)釣り選手権全国大会」を開催いたしました。

今大会に出場したのは、全国7会場の地区大会を勝ち上がった21名に、昨年度全国大会上位3名のシード選手を加えた24名の精鋭たち。

全国大会で初の檜舞台に選ばれた九十九島は、全国を行脚するシマノクロダイアドバイザー大知昭さんが「日本一美しいチヌ釣り場」と称える絶景の釣り場。208もの島々が密に連なり、複雑に入り組んだリアス式海岸は極めて豊かな表情を見せてくれます。穏やかな内湾に影を落とす松の木などの常緑樹。島々を縫う水道をゆったりと周遊する遊覧船も風景に彩りを添えています。張り出す磯、ぽっこり頭を出す岩礁はあまりにも多く、一体どれだけのポイントがあるのかと驚くほどです。

水道は深く複雑で、栄養豊富な海域の証といえるカキなどの養殖筏も各所に点在。50cm超の大型クロダイの宝庫として知られる九州屈指のフィールドです。

例年、クロダイの乗っ込みが本格化するのは、まさに今大会が行なわれた3月下旬。それこそ当地に精通する釣り人が「5尾で11kgもの重量を記録」と言うくらい大型が乱舞します。しかし、今冬はいつになく水温が低下し乗っ込みは遅れ気味。加えて大会前にたっぷりと雨が降り、水潮気味のタフなコンディションで当日を迎えました。

予選は3試合。各3時間のマンツーマン対決でクロダイ(チヌ)ならびにキチヌ(キビレ)の釣果を競い、勝ちポイントと重量差で順位が決まります。今大会では寸法制限を設けず尾数制限を5尾とし、より価値の高い1尾を引き出すことに主眼を置いたルールを設定。

しかし結果からいえば、ほとんどの磯で潮が動かず風による上滑りするのみ。エサ取りの活性も低く、付けエサがそのまま残ってくる極めてシビアな状況。釣果ゼロの選手が続出し、百戦錬磨のエキスパートが頭を抱えて検量所に戻ってきます。粘り強く釣りを組み立て貴重な1尾を手にした選手のみが勝点を重ねていきました。

初日2試合を終えた時点で全勝選手は5名。暫定1位に立った藤原 実浩選手(広島県福山市/九州5位)は2試合目に今大会唯一のリミットメイク5尾を達成。「マキエにチヌがついた」と大遠投で勝機をつかみヒットを量産。1試合目の釣果と合わせて5,447gという素晴らしい釣果をだします。相手選手に釣果がなかったため、総重量がそのまま合計重量差となってトップ。

2位につけたのは矢吹 壮選手(岡山県岡山市/下津井3位)。1試合目はディフェンディングチャンピオンの知念 友樹選手(愛媛県松山市/シード1位)と対戦して釣り勝ち、2試合ともに良型を手中にして総重量は5,152g。こちらも相手選手が釣果ゼロのため合計重量差を稼ぎます。

続く暫定3位は藤田 健一選手(岡山県小田郡/徳山1位)で重量差3,854g。

4位が国見 孝則選手(高知県高岡郡/四国B2位)で重量差2,987g。

5位が吉田 賢一郎選手(岡山県倉敷市/徳山3位)で重量差990g。吉田選手は初戦で全国大会常連の村岡 哲也選手(広島県福山市/広島2位)を破り、2試合目では濵口 忠士選手(広島県尾道市/下津井4位)と2尾対2尾の接戦のすえ、重量差が708g上回って勝ち点を獲得します。

運命の第3試合。注目のカードは暫定2位の矢吹選手と3位の藤田選手の星の潰し合い。舞台は「クロコの平瀬」と呼ばれる長く平坦な小島。

目まぐるしいほどスピーディに仕掛けを張り換えてヒットパターンを探る藤田選手に対し、矢吹選手の釣り方は一貫していました。

矢吹選手は、カケアガリが絡む同じラインにマキエを集中的にため込んでポイントを作り、そのラインに沿わせてサシエを手前に通していく釣り方。ウキ止めを付けず、00号の大柄なウキをセット。ハリスにG5のシズを3つ段打ちします。ウキの浮力は着水から10秒で見えなくなる程度の速いシモリ加減に調整。風で上滑りする潮を素早く通過させ、底潮に留めて仕掛けを安定させるのがねらいです。仕掛けが落ち着いたところで穂先を持ち上げてはラインを潮上に置き直す、メンディング兼アタリを聞く操作。これを一定間隔でマメに行ない、ベールはオープンにせずラインをほとんど送りません。

矢吹選手の愛用ラインは、磯釣り専用PE「LIMITED PRO PE G5+ サスペンド 0.8号」。細く水切りが抜群でメンディング時にウキがズレにくく高感度。

そして聞き上げ時の穂先の微妙な違和感をとらえ、鱗海アートレータ1号が満月を描く、腹パンの良型を2尾取り込むことに成功しました。

一方の藤田選手に釣果はなく、矢吹選手の合計重量差は3試合で7,462g。

他の全勝選手の勝敗はというと、初日暫定トップの藤原選手は対戦相手の知念選手が試合前に体調不良で棄権。この場合、1人で磯に上がり1尾でも釣れば勝利となり、釣果がなければ負け。そして、釣果の重量は従来の半分でカウントされるというルールです。

それでも藤原選手は「5㎏釣れば2.5kg!」と強気で試合に挑みます。

渡礁したヤスガ島は潮に変化がなく、ポイントを絞り込むのも至難の業。選択したポイントの正面に見える左右2つのハエ根にマキエを交互に打ってポイントを構築し、遭遇率を高める作戦に打って出ます。ジリジリと終了時刻が迫る中、藻際でなんとか見事に食わせたのがキチヌ。勝ち点を獲得し3連勝で、3試合トータルの重量差は5,673g。

2試合を終えて暫定4位だった国見選手は0対0で引き分け、暫定5位だった吉田選手は2対0で敗退します。総合順位は重量差で矢吹選手がトップ、2位藤原選手、3位国見選手となり、決勝は矢吹×藤原の中国勢同士、若手×古参の対戦になりました。

結果、予選リーグトップ2は共に3連勝で9ポイント獲得の矢吹選手と藤原選手。合計重量差で矢吹選手が予選リーグ1位、2位が藤原選手となりました。

決勝の舞台は「鳥の巣」。両者ガッチリと握手を交わして勝負に挑みます。境界線は深いワンドのほぼ中央。左右にある岬が釣り座となり、優先権のある矢吹選手は風下になる右手の釣り座から入ります。藤原選手は長く突き出た左の岬先端部にバッカンをセット。選手、役員が注目の頂上決戦を見守り11時30分より競技開始です。上げ7分の満潮に差しかかる時間帯。インターバルなしの2時間の釣果を競います。

藤原選手の当大会における優勝への意気込みは計りしれません。なぜならジャパンカップクロダイ選手権が始まって以来、第1回、第2回と2度の準優勝を経験し、頂点まであと一歩のところで辛酸をなめてきました。また藤原選手はジャパンカップ磯(グレ)の優勝経験もあり、今大会を制すれば史上初のグレとクロダイの2冠を手にした選手となります。

一方の矢吹選手も第6回大会で準優勝。その時は棒ウキを使って小さなアタリを取る釣りを得意にしていましたが、今大会では全く異なる釣りを展開。滑る上潮と10m以上ある深い水道の海底付近を探る対策として、全遊動の沈め探り釣りを1年間練習してきたと言います。

藤原選手は遠投と手前用に2本のヒシャクを使い分け、予選の釣りと同じくポイントを2ヵ所に構築し居着きを拾える遭遇率を高めるべく算段します。

矢吹選手はカケアガリの際に向かって深場から浅場に誘いながら引いてくるイメージの釣り。今回の大会は「攻め」より「待ち」と予選のヒットパターンを繰り返します。その挙動は落ち着いて「自分の釣りをやり抜く」という信念さえ感じます。しかし両者ともほとんどエサが取られないまま前半戦が終了。後半になると矢吹選手が唯一のエサ取りとなったアジを釣りあげましたが、沈黙は破れません。

クロダイだけでなくグレもアユも全国大会常連の藤原選手。そんな百戦錬磨のトーナメンターからも焦りが伝わってきました。ポイントが定まらず、あちこちと探っているうちにマキエが分散しすぎている印象を受けます。そしてそのまま競技終了のホーンが高々と鳴って潮騒をかき消しました。

結果、ともに予選成績3戦全勝ながら重量差で勝った矢吹選手が表彰台のてっぺんに上り詰めました。

矢吹選手は34歳。間もなく2児の父となるそうで「感謝する家族に優勝の喜びを伝えたい」と爽やかに語る姿が、とても印象的でした。

※文中敬称略

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