2017

2017 シマノ ジャパンカップ クロダイ釣り選手権大会

2017 シマノ ジャパンカップ クロダイ釣り選手権大会2017 ジャパンカップ クロダイ釣り選手権大会

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大会詳細

上位3名

優勝 知念 友樹 選手
準優勝 若松 幹 選手
第3位 塩田 孝吉 選手
チヌフカセ釣りトーナメンターが集結!
マッスルチヌ泳ぐ宿毛湾の激闘
全戦全勝の知念友樹選手(愛媛県松山市)が頂点に立つ!
日時 2017年4月22日(土)、23日(日)
場所 宿毛湾一帯(高知県宿毛市)
主催 株式会社 シマノ
後援 高知県宿毛市、一般社団法人宿毛市観光協会、秋沢ホテル
天候 1日目曇のち晴れ、2日目晴れ

大型オナガグレの宝庫、沖ノ島、鵜来島の出船基地として知られる高知県宿毛市。一方で、近年は「マッスルチヌ」と称される大型でパワフルなクロダイが生息する湾内が注目を集め、ジャパンカップクロダイ釣り選手権の全国大会の会場として選ばれたのは今回で4度目となります。50cmオーバーが高確率で釣れ、ロクマル(60cm)も数多く生息する豊穣の海は、熱戦の舞台としてふさわしい夢の好釣り場です。

シマノの願いは出場選手に最大限の実力を発揮していただくことにあります。しかし、グレに比べチヌは、絶対的な個体数少なく、大会参加者中、釣果を得た選手は20~30%しかないというのは普通にあることです。晴れの舞台のマンツーマン対戦で、両選手釣果ナシでは困ります。そこで「釣れる」という可能性にこだわり、大会前日に前釣り選手や船頭からも情報を集め、シマノスタッフも多くのポイントで実釣を行ないました。釣果の有無はもちろん、地形や水深、干満や気象・水況等を多角的に分析し、釣り場の予測を立て、事前のマキエ投入を行なって大会の舞台を作りあげました。

4月22日、予選第1試合。夜明けとともに選手を乗せた渡船(「高内渡船」、「吉村渡船」、「西田渡船」)が出発します。注目のカードは昨年の覇者・塩田 孝吉選手(愛媛県四国中央市)と森井 陽選手(徳島県徳島市)の対戦です。森井選手はグレ釣りレジェンド・江頭弘則さんの愛弟子です。グレ釣り名手として知られていますがクロダイの全国大会は初参戦。舞台は名礁「ダルマ」。実績釣り座といわれる陸向きは森井選手、沖向きに塩田選手が立ってスタートです。塩田選手は昨年同様の立ちウキ使い。ウキ下をサオ1本程度の半遊動でまずは探ると開始10分でいきなり本命、40cmオーバーの良型を手にしました。同じ釣り方で微妙に仕掛けを打つ位置をズラして2尾、3尾と連発。「極翔 硬調黒鯛1号」を何度も満月にしました。

一方の森井選手も00ウキのスルスル仕掛けで全層をじっくりと探って反撃し、1尾、2尾、3尾とコンスタントに掛けますが型では塩田選手が上回っている様子。前半1時間30分で4対4の好試合を繰り広げます。釣り座を入れ替わって間もなく潮が止まります。反応も渋くなりますが、ウキ下を長く取ってハリスを這わせて探った塩田選手がモゾモゾという居食いアタリをとらえて5尾目。今度は根際を探って6尾目。続いてウキの流れに変化のある潮筋から7尾、8尾と追加して爆釣劇を見せました。森井選手の釣り座では当地で「キバンドウ」と呼ばれるヒブダイの大型が湧き、本命が出ない状況。そのまま試合終了となり塩田選手が5,507gもの重量差をつけて会心の勝ポイント3を獲得しました。

予選2試合目の好カードは前年度3位の光田 俊介選手(岡山県倉敷市)と田中 修司選手(大分県佐伯市)の対戦です。光田選手は2015年大会の覇者。明るいキャラクターも相まって本大会で際立った存在感を放つ仕事師です。1試合目が0対0のドローだったことからなんとしても勝ちポイント3を取りたいところ。田中選手はグレ釣りにおいて圧倒的な実力者。地元の佐伯ではチヌ釣りも楽しみ、本大会も意気込みは充分。2人が渡礁したのは「大藤島のタキの下」。両選手とも40mほど遠投し、沖のラインを丁寧に探っていきます。

「宿毛のチヌはベタ底すぎてもタナが上すぎても食ってこないんですよ。だいたいサオ1本くらいのウキ下で釣っていたほうがよく釣れる気がします」
と光田選手は語り、大型の円錐ウキを使って半遊動で探ります。開始20分で最初にアタリをとらえたのは光田選手でした。「鱗海ARTLETA 0.4号」が円弧を描きます。浮いて来たのは40cmクラスの良型。しかし、タモを差し出したところでハリが外れ天を仰ぎます。その20分後、田中選手が合わせました。アタリをそっと聞くような格好でサオを立てるとグングンと疾走します。上がってきたのは30cmクラスの銀ピカ。貴重な1尾をキーパーバッカンに納めます。後半になると西風が強くなり潮が上滑りする釣りにくい状況です。

田中選手はカケアガリ付近の海底にコマセを帯状に打ち込み、そのラインを右から左に流していきます。ウキは着水5秒でシモる超マイナス浮力に調整した丸型の00号。上潮に取られないための工夫といいます。ウキからハリまでを真横にするような感じで入れ込んで、ねらいの筋に入った仕掛けが馴染んだところでジワリと聞き、アタリの有無は穂先の変化で確認します。感度を重視したPE使いも特徴で沈黙の時間が長く続きます。微かなアタリを送り込んで「もういいだろう」というくらい待ってから聞き合わせると「鱗海スペシャル 0.6号」が美しい弧を描きました。この1尾を最後に試合終了のホイッスル。田中選手の繊細な技が光りました。

予選2試合を終えた時点で1位から4位までが勝ち点6で並び、トップは塩田選手で合計重量差は5,836g。2位が知念 友樹選手(愛媛県松山市)で5,073g、3位山田 富士選手(兵庫県姫路市)4,541g、4位若松 幹選手(広島県呉市)4,215gとなりました。この上位4名が3試合目でどんな展開を見せるか。勝ち点を重ねれば決勝進出の可能性が高まり、総崩れとなれば4位以下の選手の勝ち上がりも可能性は充分にあります。中でも5位に付けている小松 和伸選手(広島県広島市)は誰もが認める実力者のひとり。

運命の3試合目、23日5時30分には各渡船が出発します。今大会は珍しく上位選手の直接対決がありません。それでも強豪との対決が待っています。暫定1位の塩田選手は17歳にして釣りのセンスが段違いといわれる篠原 豊選手(香川県仲多度郡)と対戦。彼はジャパンカップグレの全国大会出場経験もあります。暫定2位の知念選手と対するは光田選手。暫定3位の山田選手には森井選手という強豪がたちはだかります。

塩田選手と篠原選手が渡礁したのは「桐島の東のオカ」。宿毛全域の磯を入念に調べ上げた塩田選手は「デカイのが食う磯です」と言います。左の釣り座の海底は20mほど沖から一気に落ち込む形状。右はなだらかなカケアガリになっています。ここでの本命釣り座である左にまず立ったのが塩田選手です。遠投しカケアガリの際を重点的にねらい、早々に1尾を掛けますがこれは30cm強。篠原選手は前半ゼロ。メジナやベラは食っても本命はヒットしません。後半になって釣り座を入れ替えると、しばらくエサも取られない状況が続きます。沈黙を破ったのは篠原選手。G2のウキでサオ1本のウキ下。メリハリのあるコマセワークで釣りを組み立て40cmクラスの本命を手にしました。そして終了20分前に再度篠原選手にヒット。この1尾が決め手となり塩田選手の快進撃を止めました。

暫定2位でニューフェイスの知念選手は強豪の光田選手を打破。暫定3位で優勝候補のひとりと目されていた全国大会常連のベテラン、山田選手は森井選手に敗退します。そして暫定4位の若松選手は0対0のドロー。暫定5位の小松選手は窪 直樹選手(兵庫県尼崎市)に敗れて順位を下げました。

3試合目を終えて3戦全勝は知念選手ひとり。そして3試合目、0対0の引き分けで負けナシの2勝1分けに持ち越した若松選手が単独2位となり、決勝はこの2人に決まりました。塩田選手は篠原選手に敗れたものの、順位は3位。宿毛湾の磯を徹底的に調べ上げ、チヌの習性にマッチした釣りを確立した努力の成果を今大会でもいかんなく発揮しました。7選手が並ぶ勝ち点6ポイントの中で、総釣果11,164gは断トツ。2年連続でシード権を獲得です。

今大会では釣果ナシの磯も何ヵ所かあり、昨年のように乗っ込みらしい腹パンの大型もほとんどあがっていません。厳しい状況ではありましたが予選3試合を終えて全選手の総釣果98,118g。この数字は宿毛の海の豊穣さを物語っています。

知念選手は沖縄県で生まれ育ち、結婚を機に5年前に愛媛県松山市へ移住。当初はグレ釣りに心が傾いていましたが、愛媛に来てからチヌ釣りにのめり込みます。身近な堤防で腕を磨き、四国A大会を1位で勝ち上がると全国大会進出。宿毛で釣るのは初めてといいますが、マイペースの落ち着いた釣りで勝ち点を重ねました。

一方の若松選手は広島県在住。チヌ釣り王国といわれる瀬戸内で腕を磨くチヌ一筋の本格派。得意のスルスル釣りは大知昭さんの釣りを研究したもの。そして今大会競技委員長の大知さんも実力を認めるエキスパートです。四国B大会を2位通過して全国大会進出を決め、自分のスタイルを貫いて見事決勝進出を決めました。

決勝の舞台は「桐島の浜」。磯でも堤防でもなく、渚(浜)での決勝は史上初。120分の釣果を競います。ここでも知念選手はリラックスし、大舞台の雰囲気に呑まれずマイペースで楽しんでいる余裕さえ感じます。若松選手は気合充分といった表情で仕掛けをセットしています。

10時30分に試合開始のホーンが鳴ると、沖のカケアガリを攻める遠投合戦が始まります。序盤は潮が動かず、エサ取りはフグのみ。前半30分が経過したころから潮がトロリと右に流れ、試合が動いたのは前半終了間際の11時24分。先に本命アタリをとらえたのは知念選手でした。ウキを浮かべてラインを抜いてじっくりとエサを落し込んでいきますが、中層ではアタリがなくハリスをべったりと海底に這わせると、ウキがシモったまま動かない居食いと思しき微妙なアタリ。聞くように合わせるとズンズンと走り出して急加速。カケアガリに沿って横走りする引きは強烈です。黒潮が差し、栄養豊富な宿毛湾で育ったマッスルチヌ。絶対にバラしたくないという一心から知念選手の使用ロッドは「ライアームGP 1.2号」に道糸2.5号、ハリスは2号という太仕掛け。強気のやり取りで浅場に寄せると、まぶしい銀鱗が反転してタモに入ります。「予選からずっと練りエサのみでの釣果でしたが、オキアミを付けると残ってきました。次の1投で当たりました」
と知念選手。

前半を終えて釣座を交代。一方の若松選手はブイやカケアガリの際にねらいを絞ると1点にコマセと仕掛けをタイトに入れ込み探ります。00ウキのスルスル仕掛けを用い、練りエサとオキアミを頻繁に換えてエサの沈下速度を変化させクロダイの目先を変えます。練りエサで早く落とし込んでいくと、11時48分、待望のアタリが若松選手に到来。ラインが走り、すかさず合わせると「極翔 硬調黒鯛 1号」が満月を描きます。バットパワーを活かして寄せた魚は、遠目には知念選手とほぼ同サイズ。「オオッ!」とギャラリーも沸き立ちます。若松選手は取り込んだ後もすぐに追いコマセを入れ、魚を散らさぬように心掛けます。しかし、連発とはなりません。知念選手も同じ状況で、エサ取りの動きもなくなり終了のホイッスルが青空に響き渡ります。勝負の行方は検量に持ち越しです。

表彰台のステージ前に検量セットが置かれ、選手、スタッフ、報道が固唾を飲んで見守ります。まずは若松選手の魚を計ると886g。続いて知念選手です。ドスンとザルに開けた魚を、秤に乗せます。釣果は1,040g。「優勝は知念選手です!」とコール。見事頂点に上り詰めた知念選手に会場にいる全員から惜しみない拍手が送られます。1尾1尾を確実に取り、全戦全勝を成し遂げた新星が賞杯を頭上に高々と掲げました。

※文中敬称略

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