2015

第31回 シマノ・ジャパンカップ 鮎釣り選手権大会

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大会速報

鮎釣り選手権大会

優勝 小澤 剛 選手 23匹
準優勝 瀬田 匡志 選手 20匹
第3位 松田 克久 選手 15匹

※決勝戦釣果・オトリ2匹含む

渇水からの水位上昇の九頭竜川で繰り広げられた熾烈な大激戦!混戦を抜け出した3名による雨の頂上決戦は、小澤剛選手(愛知県豊田市)が、6年ぶり2度目の優勝を果たした!
日時 2015年8月29日(土)、30日(日)
場所 九頭竜川(福井県)
主催 株式会社 シマノ
後援 福井県福井市、福井県永平寺町、九頭竜川中部漁業協同組合
天候 土曜・雨のち曇り時々晴れ、日曜・雨
水況 土曜・約25cm減で濁りほとんど無し、日曜・平水~10cm増で薄濁り状態

2015年8月29日(土)、30日(日)に「2015シマノ・ジャパンカップ鮎釣り選手権全国大会」を福井県 九頭竜川にて開催いたしました。

1985年から始まったジャパンカップ鮎、今年で31回目を迎えることになりました。

今大会の出場選手は、昨年度全国大会上位入賞者3名のシード選手と、全国で行なわれた地区大会を勝ち上がり、セミファイナル(東日本、中日本、西日本)大会をも勝ち抜いた17名に、インストラクター選抜戦の上位4名の総勢24名の精鋭達。減水が続く渇水状態にもかからず、釣果はまずまずといったコンディションに恵まれた「福井県 九頭竜川の中部漁協管区」で大激戦を繰り広げてくれました。

豊富な天然遡上鮎による抜群の魚影を誇る超人気河川の九頭竜川は、広大なフィールドに広がる水量豊富な流れと点在するポイントの多さが特徴。チャラ瀬、トロ場での泳がせ釣りから激流での豪快な引き釣りまで、あらゆるスタイルが楽しめる懐の広さも手伝って、今年も解禁当初から多くのファンで賑わっていました。

しかし、今シーズンは大会前にまとまった雨があまり降っておらず、減水傾向での大会スタートとなりました。アカ腐れしている場所がところどころあるようで、人的プレッシャーの影響か場所ムラの激しいところもあったようです。とはいえ九頭竜川は減水状態においてもコンスタントにまとまった釣果が得られるポテンシャルの高いフィールドであるため、コンディションとしてはまずまずといえました。 気になったのは渇水気味のため川切りできる場所が多くあることと、それが理由でサラ場が少ないことが予想されます。参加選手らもそうした川のコンディションも加味したうえで戦いに臨みました。

掛かる鮎のサイズは上流のABブロックと鳴鹿エン堤下流のCDブロックでは2回り異なります。ABブロックの平均サイズは20cm、時折22㎝超など良型も多く見られました。ここの鮎は超幅広で体高も高く、そのパワーに九頭竜の水流が加味し釣味は抜群です。一方、CDブロックは平均18cmになります。

全ブロックにおいて高い確率で真っ黄色の鮎が掛かることから、いかに最初のオトリ交換を短時間のうちに行なえるかが釣果を伸ばすうえでのカギであることは間違いありません。

いざ大会が始まると、各ブロック各試合での6選手90分のトップ釣果は全て2ケタで、2日間の全ブロックでのトップ選手の平均釣果は14.5匹。特に着目すべきは、初日の第3試合でDブロック最下流付近のサラ場に狙いをつけた瀬田 匡志選手が90分の競技時間内で26匹(オトリ2匹含む)という驚異的な時速17匹超をたたき出すなど、全体的にも釣果に恵まれた大会となりました。

数ある鮎釣り競技で唯一、多試合を行ないアベレージで強い真の王者を決めるジャパンカップ全国大会。当然の事ながら、序盤の第1・第2試合終了時点では、目まぐるしく順位が入れかわりますが、第3試合終了あたりから実力者が浮上し始めます。そして、初日の第4試合終了時点では数名が固まり、一見そのままの流れで決勝進出が決まるかに見えます。しかしながら、ここ最近は、第5第6試合で、星のつぶし合いという熾烈な戦いの順位変動が演じられる一方で、まさかの急失速する選手もおられました。

今回、第4試合を終えた初日の総合成績は、君野 貴文選手が22.5ポイントで2位に2.5ポイントも差をつけ、誰の目からも王手と見られました。以下、瀬田選手・高橋 祐次選手が20ポイントで占有率差の2位3位。そして、小澤 剛選手・小林 正幸選手が19ポイントで占有率差の4位5位。

そして、第5試合終了時点になると君野選手・高橋選手がブロック5位4位で失速し、総合2位4位に降下。一方で、瀬田選手・小澤選手ともにブロック1位で総合1位3位に浮上。また、初日暫定7位の松田選手もブロック1位で5位に浮上。ということで、今年も熾烈な星のつぶし合いに加え、まさかの展開になるのでしょうか…

さて、いよいよ最後の第6試合。上位陣は誰にも決勝進出のチャンスがあります。そして、各ブロックで検量が行なわれるのですが、選手にはそのブロック内での勝敗は分かっても、他ブロックの成績は本部でしか分からず、本部に送迎される各選手の心境は計り知れない緊張と不安があろうかと察します。

予選リーグの結果です。この激闘バトルの6試合を制して、決勝戦へ駒を進めたのは、第5第6試合の激流ABブロックをともにトップで通過した小澤 剛(オザワ ツヨシ・/愛知県/シード)選手が見事に総合1位。

続いて、同じく連続トップ成績の松田 克久(マツダ カツヒサ・群馬県/インストラクター選抜戦3位)選手が総合2位。

そして注目のラスト1枠には、第6試合でブロック4位で苦戦しながらも、失速した高橋選手・君野選手を僅差で振り切った瀬田 匡志(セタ タダシ・鳥取県/セミファイナル西日本大会2位)選手が総合3位となりました。

やはり今年も悲喜こもごもの結果となった多試合バトルの予選リーグ。

試合ごとに徐々に調子を上げていった小澤選手。予選初日暫定7位からの猛烈な追い上げで見事2位に食い込んだ松田選手。第3試合で最高尾数をマークし、初のファイナル進出を果たした瀬田選手。これから始まる頂上対決の行方はいかに…

決勝戦は雨にもかかわらず、最前線の名手の釣技をひと目見ようと会場前には多数のギャラリーが集まりました。決勝の舞台は、瀬肩・ザラ瀬・早トロ・絞り込み…等多くのポイントが点在し釣果が望め、かつ多くの車両が駐車出来て、多くの方が見学しやすい恰好の釣場、大会本部前である「谷口(タニグチ)の平瀬」で開催しました。

水況は、渇水からの降雨による増水で、前日比20cm程度アップ。当日朝からでも5cm程度上昇し、若干の濁りが加わった状況。

釣場は、雨天のため一般釣り師はほとんどおられず、かつ、一部の釣り人も決勝開催を知り、釣りを中断して観戦者になるなど、決勝の舞台は選手たちの貸切状態になりました。

この最高の舞台で繰り広げられる頂上決戦。上流から約100m間隔でABCのエリアが設置され、場所取りのルールは3エリアを上流から40分ごとに下流に移動。AからスタートすればA⇒B⇒C、BからだとB⇒C⇒Aになり、CからAへは大きく移動しなければなりません。移動のインターバルは5分。入川は予選リーグの上位順に最初に入るエリア選択権があります。

先ずは、上流のAエリアスタートを小澤選手が選択したあと、2位の松田選手がCを選択。その理由は「2人ともまともに戦って勝てる相手ではないので奇をてらってみた」という作戦が吉と出るか凶と出るか。よって瀬田選手がBエリアスタートという布陣で各選手スタート場所に散っていきました。

そして、いざ競技開始。開始数秒でBエリアの瀬田選手がヒット。開始15分までに5尾という3分に1尾ペースでスタートダッシュに成功。その後すぐさまAエリアの小澤選手が掛け合うといういきなりのデットヒートにギャラリーからどよめきと拍手が入り混じる。Cエリアの松田選手は本部前の分流を丁寧に釣り、2人の戦況を見ながら虎視眈々と好機を探る。

Aエリアの小澤選手は、ABCのエリア内では比較的川切りしやすい上流部の利を生かし、流れを渡って右岸側(本部前の対岸)の筋を得意の引き釣りで丁寧に狙っていきました。これまでのように闘志を前面に押し出すことはせず、今年のスローガンである「肩の力を抜く」を実践。対戦相手の動きや釣果にも動じることなく、名手ならではの落ち着いたムダのない動きで、昨年の決勝大会で不発に終わった右岸側の流れをリベンジ。ここ一番の集中力を発揮してコンスタントに釣果を重ねていきました。

Bエリアの瀬田選手は、開始早々に掛けた左岸側の流れの筋を丁寧にトレースするように、じわじわと釣り下りながら釣果を量産していきました。得意のキャスティング釣法による時短活用、ピンスポットねらいでのリズミカルなオトリ交換で連発。釣果トップでリードします。

最下流のCエリアに入った松田選手は本流勝負を避け、分流に徹する作戦に出ました。本部前の左岸側を流れる分流筋を丁寧にトレース。スロースタートながら、2人のデッドヒートに奇襲作戦でじわじわと食い込みます。連発こそないものの、ポツポツと着実に釣果を重ねていきました。

前半戦が終了して中盤戦。小澤選手がB、瀬田選手C、松田選手Aエリア、それぞれ釣り座を移しての競技も、前半戦同様に3者とも前半戦と同じペースで掛けていきます。最初のスタートダッシュができなかった松田選手が若干不利な展開で、小澤選手と瀬田選手の一進一退の様相。おそらく同数のまま、勝負は後半戦に突入していきました。

後半戦になると3名ともに前半戦ほどの勢いこそないものの、それでもさすが最前線の名手たちです。それぞれ釣られた後にもかかわらず、ペースダウンしながらもポツポツと拾って釣果を着実に伸ばしていきます。そして、後半戦中盤に差しかかった頃、ついにここで小澤選手が連発のラストスパートを見せ、瀬田選手をつき離しにかかりましたが、この時点でも両選手の数はギャラリー誰もが確実に把握していない状況が続きます。

それに追いすがるように瀬田選手はAエリア左岸寄りの筋をトレースして量産、といきたいところでしたが、なかなか連発とはいきません。ポツリポツリとは掛かりますが、スパートした小澤選手との数はどうなってるのでしょうか…

そして、競技終了のホーンが鳴り響き、雨中の決勝戦が終了です。

広大な川幅を有する谷口会場。決勝戦は帰着方式ではなく、思う存分釣っていただくべく、検量時刻制限もありません。また、昨年からは左岸右岸どちらに帰っても良く、本部対岸の右岸に帰る場合は、スタッフが左岸本部まで送迎する方式を取っています。

誰が勝っているのか分からない大注目の検量結果は、予選リーグ3位から順に行なわれ、瀬田選手20匹、松田選手15匹、そして最後の小澤選手が17~18匹のカウントあたりから小澤選手の笑み・Vサインが飛び出てきて、それに気づいた観客の皆様からざわめきが起こり出した中、20匹を超えるカウントで、歓声に変わり、結局23匹の最終コール。

見事6年ぶり3度目のジャパンカップを手にしました。準優勝は瀬田選手、第3位は松田選手という結果になりました。

※文中敬称略

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