2011

第6回 全日本鮎釣チーム選手権

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大会ダイジェスト

大会ダイジェスト(第1試合)

受け付けの後に、開会式と競技説明が行なわれ、シード3チーム9名を除いた、124チーム372名がA、B、Cのブロックに分かれて、3時間で釣り上げた鮎の総匹数を競い合う、決勝戦進出を賭けた予選の第1試合が開始されました。

ブロックごとに集合した選手達は、引き舟の中のチェック、タイツとタビの消毒(冷水病対策)を行なってから、受け付け時の抽選で決定された順番にオトリを受け取って狙いのポイントにダッシュしていきます。
試合エリアは、Aブロックが三滝から黒羽橋上手まで、Bブロックは黒羽橋真下から那珂川橋上手まで、Cブロックは那珂川橋下手から永昌橋の下流200mまでと、いずれも最上流部から最下流部までは移動だけで小一時間を要する広大なエリアです。
しかし、この広大なエリアでも“残り垢”が残るであろうポイントは限られます。出場選手の考えることは皆同じで、川が湾曲した内側や大岩、岩盤周りや蛇行する分流などには竿1本間隔で選手が並ぶ状況。これを嫌って通常ならば見向きもしない、竿を入れるのさえ厳しいブッシュの下に入る選手も見受けられます。
また、那珂川を知り尽くす地元名手や全国区名手がダッシュすれば、これを追っていく選手も多い。第1試合通過のボーダーラインは1人のノルマが“オトリ込み5匹”というのが大方の予想。ならば自分で歩き回って探すよりも、名手達が選んだポイント周辺で粘った方が良いと考えたようです。
コンディションが良くてもスタート順位が遅い選手は入るポイント探しに苦労するのに、今大会の状況はさらに厳しい。狙いのポイントへ着いたら、そこには竿が放列していて入る場所はもちろん、川を渡る場所すらない…。呆然と立ち尽くす選手も見受けられました。そしてこんな状況の中で競技が開始されました。

狙いは誰しも同じ。例年以上にポイントに選手が集中。身動きがとれなくなるほどだ。

予選通過のボーダーラインは3人で15匹(オトリ6匹含む)と、予想以上に厳しい戦いをなった。検量所に持ち込まれる鮎も少なかった。

チーム戦である今大会の難しさであり、選手達を苦しめるは“自分の釣果がどの程度の順位なのかが分からない”ことと、“チームの足を引っ張らないように持てる力を最大限引き出して競技終了まで気を緩められない”ことです。
対戦相手は見渡す限りの全員。誰がどれくらい釣っているのか確認することは不可能です。さらに自分が担当したブロックであきらかに上位だと思われる釣果を上げているとしてもそれで満足することは許されない。手を休めることはできないのです。
3名で釣り上げた鮎の総匹数で競い合う今大会では、“あと1匹”が勝敗を分けます。出場選手の誰もが、1匹でも多くの鮎を釣ること。チーム貢献のために最後まで死力を尽くさねばならないのです。ポイント取りに恵まれなくても、トラブルに見舞われたとしても最後まで手を抜くことは許されません。競技時間内は、精一杯の努力をしなければチームの勝利はないのです。
しかも、対戦相手は日本を代表する名手に、那珂川を知り尽くす地元の手練選手、さらには成長著しい新進気鋭のトーナメンター達。ドリームチーム以外の一般参加といえども、その顔ぶれは蒼々たるものでレベルは非常に高いのです。
しかし、これが個人競技とは違うチーム戦の楽しさでもあります。雑誌やDVDなどで顔を知る全国区の名手達を相手に真っ向勝負が挑めるからです。名手達も一般参加選手も皆公平。誰もが並んでオトリを受け取るとポイントめがけて一斉にダッシュ。有名選手だからと臆することなく、正々堂々と自分の釣りに徹して勝負するのです。
さらに、競技は3人のチーム。メンバーは自由で、気軽な釣り仲間や先輩、親子、はたまた日頃は互いに火花を散らしあうライバル達とタッグを組んで一致団結して戦う。1人では難しい競技も3人の知恵と技術、経験を持ち寄って、誰もがチームのために精一杯の努力をすることで、時にはチームを引っ張ったり、逆に助けられたり。
鮎釣りシーズン終焉を飾るフィナーレとして、真剣に正々堂々と仲間達と鮎釣りを思う存分楽しむ。結果は大切ですが、結果だけでなく、今大会へ出場することで得られることは多いはずです。これが今大会の面白さでしょう。

第1試合は、さすがに低水温の朝に、残り垢狙いの試合を行なうとあってしばらくは動きがありません。誰もがオトリに無理をさせず、慎重な釣りでスタート。
曇っていた天気が一気に回復して水温が上昇したのか、1時間経過あたりからポツポツながら竿を曲げる選手が見受けられます。ですが、連発できる状況ではないようです。ずらりと選手が並んだポイントでは、1時間経過あたりから移動する選手も。同じポイントで粘った方がよいのか、動いて拾った方がよいのか…。いずれにしろ厳しい状況が続きました。
そして第1試合が終了。各ブロックでの検量が始まります。例年ならば次々に鮎を持ちかえる選手で長い行列ができる検量所ですが、オトリを変えることすらできずに試合を終えた選手も多いようで、早々と検量を済ませていきます。しかし、検量所へ走って戻ってくる選手の中には、周囲を驚かせる釣果を持ち帰る選手もいました。エリアの上下限まで歩いた努力の結果でしょうか。

各ブロックでの検量結果が集計されて、決勝戦へ進出するチームが発表されました。

予選トップは、チーム スクデットの31匹。2位はメタル ウィナーズの30匹、3位はパワードVIPの29匹。この3チームの結果に歓声が上がります。
次いでメジャーブラッド、鮎の王国 F team、NFS競技、ZERO-ONE A、Xトルクパワーズ、チーム スペシャル、やまなしイケメン選抜、チームPAL-B、イシカワオート、ZERO-ONAE R、エアマスター、河瀬魅 A、FTO、三陽FC、TEAM Ayumichi、エクセルシオ、チョッパー、チームPAL-A、鮎の王国 D-team、アサヒスペシャル、NFS岩手、TEAMワカサギ那須、ジャストワン、狩野川無名会の順。計27チームが予選の第1試合を通過。予選通過ボーダーラインは当初の予想通り、3人で15匹となりました。

厳しい戦いとなった予選を勝ち抜けた精鋭達。ドリームチームや有名選手がタッグを組んだチームに混じって一般参加の精鋭チームも少なくなかった。

大会ダイジェスト(決勝戦)

予選通過の27チームに、昨年度大会上位入賞のシードチーム「RSラシュラン」「グラスリスターズ」「相州千鮎会」を含めた計30チーム90名での決勝戦が開始されました。競技エリアは狭められ、Aブロックは上限が弓座のオトリ屋前から黒羽橋上手まで。Bブロックは上限が高岩橋の右岸にある建物の門から那珂橋上手まで。Cブロックは那珂橋下手から黒岩の下流50mまで。狭められたとはいえ、広大なエリアです。
決勝戦の競技時間は2時間。3時間勝負の第1試合は競技終了までに検量場所へ戻ってくることが義務付けられますが、決勝戦は競技終了の合図までポイントで竿を出せます。
決勝戦は、真夏日を思わせる快晴によって水温も上昇し、水位もさらに下がってコンディションは若干回復したようにも思えます。しかし、依然残り垢狙いの試合であることは否めず、さらに予選で追いの良い鮎は抜かれたあと。しかも多人数が入ったあとなのでサラ場が残っているのか…。ポイントに竿を入れて追いがなければ移動するかのようにエリアを釣り歩く選手も多く見受けられました。

決勝戦では水温も上がって鮎の活性も上がることが予想されたが、やはり残り垢狙いに変わりはなかった。本来なら選手が集中する流芯はガラアキ。

有名選手を追いかけたり、仲間のチームを応援したり。大会終了まで誰もが楽しむことを忘れない。

第1試合で広大なエリアを歩き回った選手達の疲労度は相当なはず。しかし、決勝戦進出チームの誰もが、その疲れを感じさせないアグレッシブな釣りを展開していきます。ポイント取りは集中していますが、掛からないと思えばどんどん移動。前も後ろも左右も囲まれる状況で、互いの釣りを邪魔しないように動いていくのはさすが。
さらにあれだけ第1試合で抜かれた後にも関わらず、竿抜けを見つけたのか連発する選手も。厳しい予選を勝ち抜けただけあって、予選以上にレベルは高くなっているようでした。
決勝戦進出選手はもちろんですが、惜しくも決勝戦進出を果たせなかった選手達や応援団も決勝戦を見守ります。有名選手を追いかけたり、知り合いの選手に声援を送ったり。選手が動けば、ギャラリーもそれを追って移動。選手が掛ければ拍手喝采で健闘を讃えます。選手や応援団、大会関係者も含む、誰もがシーズン最後を飾る今大会を楽しんでいました。

そして決勝戦の競技が終了。ブロックごとに検量が始まりました。検量所を多くのギャラリーが取り囲みます。そして厳しいコンディションのうえに、釣り荒れているはずの中から結果を叩き出してくる選手達の釣果に溜め息や歓声が上がります。

各ブロックの結果が集計されて、いよいよ結果発表。
決勝戦結果は、総匹数26匹を釣り上げた渡辺尚秀、小貫藤夫、山口 隆選手の「Xトルクパワーズ」が初優勝。一般参加ながら有名選手がタッグを組んで、見事第6回大会の栄冠を手にしました。
準優勝は、1匹差の25匹で島啓悟、小沢 聡、小澤 剛選手のチーム「RSラシュラン」。昨年度の優勝に続けて今大会でも強さを見せつけてくれました。
そして第3位は、伊橋真一選手、土屋直史選手、土屋恵司選手の一般参加チーム「狩野川無名会」。一般選手がタッグを組んだチームが、ドリームチームを抑えての入賞を手にしました。

表彰式では、上位入賞チームの表彰ならびに記念撮影が行なわれ、釣り上げた鮎の贈呈式を開催。最後に豪華景品がプレゼントされる「お楽しみ抽選会」で盛り上がったところで今大会は無事に幕を閉じました。

なお、今大会で釣り上げた全ての鮎は、選手全員のご支援、ご協力のもと、地元の社会福祉施設、清友会様、晴風園様、風華苑、山百合荘、ほのぼの園、川西ほほえみセンター様に寄贈されました。
贈呈式では、皆様方にたいへん喜んでいただき、釣りが社会活動としても貢献したことをご報告いたします。

  • 文中敬称略

今大会で釣り上げた鮎の贈呈式も行なった。

大会風景

今年も車に埋め尽くされた那珂川歩道橋下。

大会本部前に集合する選手たち。ドリームチームの紹介ののちに、競技説明が行なわれ、各ブロックへ移動する。

引き舟のチエックと冷水病対策であるウエアの消毒とタビの消毒も行なわれた。

お楽しみ抽選会では、自転車もプレゼントされ、最後に大いに盛り上がった。